私、貴方のこと大嫌い【山田二郎】

嫌いじゃない ページ16

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早くも日曜日



９時に集合の予定だ




『う〜ん、どれにしようかな』



私は絶賛迷い中



ベッドにジャンルの違う大量の服を並べている




母も父も居るが、さすがに相談できない



悩んだ末、私は黒のスウェットにグレーのチュールスカートを選ぶ


ちょっとだけ化粧もした



母にバレないように家を出る




母｢あら、Aどこ行くの？そんなにお洒落して。｣



すぐにばれちゃった

母はお喋りやさんだから父にも言っちゃうんだろうな



『友達と買い物。いってきまーす。』




私は家をでて集合場所に向かって歩く




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集合場所に着くと見慣れた人影があった




二郎｢お、A｣




『ごめん、待った？』




二郎｢全然待ってない｣



ふと二郎の手を見ると、指先が赤くなってた





『ちょっと、手冷たいじゃん』



思わず二郎の手を触る



二郎｢バレた？｣



それでも彼はニコッと笑う



そしてさりげなく手を繋いでくる


昔の私じゃ考えられない事だが、今は嫌じゃない

むしろ、なんだか嬉しい



二郎｢Aの手暖かい｣




『心が冷たいからね』




なんだそれ〜と二郎は言う

その場面を横から見る




『今朝、家を出てくるところお母さんにバレちゃってさ。なんでそんなにお洒落してるの？だって。』



なんか褒めて欲しくて、二郎に話題を振ってみる

時間をかけて服を選んだんだ。褒めてもらいたいじゃん？




二郎｢確かに今日のAはお洒落だよな。化粧してる？めっちゃ綺麗だよ。｣




まさか二郎がこんなに甘々だとは...


今日の二郎の格好を見てみると、すごくかっこよかった。


デニムパンツにデニムジャケット、その下にはパーカー
そして内側が赤いキャップ




『うん、二郎もかっこいい』




二郎｢まじで！？やっとかっこいいって言って貰えた...！｣




そんなに言われたかったんだ

じゃあ明日も言ってあげよう





『お兄さんとかに選んでもらったの？』




二郎｢兄ちゃんは今日友達と用事らしいから、頑張って自分で選んだ！弟には散々貶されたけどな。｣



弟...

山田三郎だっけかな？




『仲悪いんだ？』




二郎｢いいや、あいつもあいつでよく頑張ってるしよ。俺が風邪引いた時にりんご剥いてくれたぜ。｣




『良い弟さんだね、会ってみたいな〜』




二郎｢お、いいぞ！次は家にこいよ！｣





『うん、楽しみにしとく』




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