フジ《田舎者扱い》 ページ28
『Aの料理ってなまら美味いなぁ』
『あー、もうそれでいいべ』
「……フジ？」
「ん？」
フジは、キヨたちと比べてやたら北海道訛りが出ているような気がする。
私も幼少期から長い間北海道にいたが、ほとんど訛りは抜けてきていると思う。
「めっちゃ北海道訛り出てるべ、お前」
「……お前もな」
「あ」
やっぱ抜け切ってはないっぽい。
でもフジ程じゃないはずだ。
そもそも道産子だから北海道訛りが抜けないのは仕方ない。
「でもさぁ、北海道訛りが抜けきらないのは仕方ないし、別に指摘するほどのことでもなくない？」
「……まぁそうなんだけど、でも他の地方と違って田舎者扱いされやすいような感じがするから、私は標準語に矯正するようにしてるけど」
「ふーん」
私も道産子だから北海道のことは大好きだ。
それに北海道訛りも、幼い頃から親しんで来たものだから、実家のような安心感があるのは事実だ。
「田舎者扱いがそんなに嫌なの？」
「だって馬鹿にされよるんだよ？そりゃプライドも傷つくでしょうに。フジは嫌じゃないの？」
彼からの問いにそう答える。
今度はこちらから問いかけてみれば、彼からは直ぐに答えが返ってきた。
「確かに馬鹿にされんのは癪に障るけどさぁ……
でも、俺ら道産子なんだよ？だから胸張って北海道弁使っていいと思うけど」
「あぁ……確かにそれはあるかも」
的確な言葉に、私は思わず頷く。
事実、私も北海道弁は好きっちゃ好きだ。
一番馴染みがあると言っても過言ではないし。
「でしょ？だからAも無理して標準語に矯正する必要は無いんだよ」
そう言って、フジは私の頭をポンポンと撫でる。
幼児にやるように優しく。
「うーん……まぁそうだね……つーか、頭ポンポンしないでってば。ちっちゃい子じゃないんだよ」
ため息混じりに言うと、彼は「ふーん？」とサングラスの奥の目を光らせる。
「俺から見れば十分ちっちゃい子だよ」
「同い年でしょうが！馬鹿にしとんのか！？」
ごめんごめん、と彼は冗談めかして謝る。
酷くないか？私なんでこんな馬鹿にされなきゃいかんのよ？
「まぁでも」
私に目をやってから、もう一度逸らしてフジは言う。
「別に訛りは気にすることじゃないし、その……
北海道訛り出てるAも、可愛いし」
「え？」
それきり彼は目を合わせようとしない。
思いがけないツンデレに、思わず胸が高鳴ったのは私だけの秘密。
フジ《田舎者扱い》
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まりな - すごく面白かったです！ ネタなんですが、お互いがお互いを助けようとして過去に戻り、すれ違う。的なお話が個人的には面白そうだなぁと、思っています！ できればキヨさん推しなのでキヨさんがいいです！←めっちゃ失礼してる気がする。… 長文失礼しました！ (2019年9月17日 22時) (
レス) id: 09dc9c6a8c (このIDを非表示/違反報告)
緋奈香 - みねさん» 本当にありがとうございます…！こーすけさんのネタ切れが激しかったのでマジで助かりました！ありがとうございます！書き方クッソ下手ですけど許してください)^o^( (2019年7月16日 22時) (レス) id: 6b4203fd69 (このIDを非表示/違反報告)
みね(プロフ) - 緋奈香さん» どうぞどうぞ！むしろうちの案は作者様のものとして扱って下さいな笑 (2019年7月16日 21時) (レス) id: 214adefcf9 (このIDを非表示/違反報告)
緋奈香(プロフ) - みねさん» なるほど！めっちゃいいですね、そのネタお借りします(^^) (2019年7月16日 21時) (レス) id: 2a8fba13b5 (このIDを非表示/違反報告)
みね(プロフ) - こーすけと一緒にバイキングに行ってみた 的な？やつです笑 どっちが多く食べれるかなど競ったり〜みたいなって思ってます！ (2019年7月16日 6時) (レス) id: 214adefcf9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：緋奈香 | 作成日時：2019年7月12日 16時
