キヨ《飽く迄も幼馴染》 ページ24
いつも一緒にバカ騒ぎして、
いつも一緒に遊んで、
時には相談に乗ってくれた。
バレンタインにはチョコをあげた。
抱えていたたくさんのチョコに私のチョコが紛れることはなく、彼は─キヨは、その場で食べてくれた。
「いつも、ありがとうな。A」
キヨは、サッカー部で活躍していた学生時代も、
YouTuberとして絶大な人気を博している今も、
ずっとモテている。
告白だって、幾度とされてきたことだろう。
友達からは、『幼馴染なんて羨ましい』とよく言われた。でも、そのせいで、幸か不幸か、キヨを──否、他の3人も、一度として恋愛対象として見ることが出来た試しがない。
あいつら4人は、私のことを、どう思ってるんだろうか。
「A?聞いてるか?」
突然、キヨが私の顔を覗き込んでくる。
ハッとして勢いよく顔を上げた。
目の前では、キヨが苦笑している。
「やっぱ聞いてなかったろ?最近ぼーっとしてる事多いよな、お前。」
「ご、ごめん……昔の事、思い出してて」
え、今?と、キヨはまた苦笑する。
その反応に、私は再び謝ったが、キヨに遮られる。
「謝んないでいいよ。俺だって昔の事思い出すことあるし」
謝りたかったのは、私がこのタイミングで思い出に浸っていたことなんだけどなぁ……まぁいいか。
彼なりのフォローってことだろう。
「─キヨたちはさ」
「ん?」
「学生時代、私のことどう思ってた?」
何ともないようにそれとなく聞いた。
キヨは一瞬驚いた素振りを見せたが、またいつもの笑顔で笑った。
「可愛いやつだと思ってたよ」
「っえ……」
「嘘嘘。可愛いのは事実だったけど、信頼出来る幼馴染って感じだな」
あいつら3人もそうだったと思うよ、と彼は付け加えた。
一瞬驚いたが、やはりそうか。やっぱり、お互いに恋愛対象にはなり得なかったらしい。
あ、そうだ。
「ねえキヨ。キヨって学生時代好きな女の子がいたってすごい噂になってたけど、結局あれ誰だったの?」
そう聞いてみると、キヨは顎に手を当ててしばらく考え、やがて答えた。
「ああ、そういえばそんなことあったな。すげぇ昔だから忘れちまってたけど……確か、同じクラスの女子だったと思う」
「へえ」
同じクラスの女子か。
メンツは覚えてないが、誰だったんだろ。
私もキヨとはずっと同じクラスだったんだけどなぁ……
気付けば、キヨはいなくなっていた。
恐らく動画編集でもしに行ったのだろう。
あいつも大変だな。
キヨ《飽く迄も幼馴染》
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まりな - すごく面白かったです! ネタなんですが、お互いがお互いを助けようとして過去に戻り、すれ違う。的なお話が個人的には面白そうだなぁと、思っています! できればキヨさん推しなのでキヨさんがいいです!←めっちゃ失礼してる気がする。… 長文失礼しました! (2019年9月17日 22時) (レス) id: 09dc9c6a8c (このIDを非表示/違反報告)
緋奈香 - みねさん» 本当にありがとうございます…!こーすけさんのネタ切れが激しかったのでマジで助かりました!ありがとうございます!書き方クッソ下手ですけど許してください)^o^( (2019年7月16日 22時) (レス) id: 6b4203fd69 (このIDを非表示/違反報告)
みね(プロフ) - 緋奈香さん» どうぞどうぞ!むしろうちの案は作者様のものとして扱って下さいな笑 (2019年7月16日 21時) (レス) id: 214adefcf9 (このIDを非表示/違反報告)
緋奈香(プロフ) - みねさん» なるほど!めっちゃいいですね、そのネタお借りします(^^) (2019年7月16日 21時) (レス) id: 2a8fba13b5 (このIDを非表示/違反報告)
みね(プロフ) - こーすけと一緒にバイキングに行ってみた 的な?やつです笑 どっちが多く食べれるかなど競ったり〜みたいなって思ってます! (2019年7月16日 6時) (レス) id: 214adefcf9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:緋奈香 | 作成日時:2019年7月12日 16時