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橙side ページ5

「丸、あそこのサンドイッチ屋さん買ってきてや」

「いや、急になんで!?」

大倉との雑誌のインタビューの仕事が終わって、楽屋で相変わらずのグダグダなノリをしていた。
大倉はスマホで何かを調べてたのか、急に冒頭のことを言い出した。


「いや、なんか美味しそうやねんもん」

「何でそれを俺が買いに行かなあかんのよ?」

「だって、丸ちゃん今から何もないやろ?」

「一旦な?俺も夜は仕事あるからな?」

「俺は今からあるんよ」

「あれ?大倉、今からなんやったっけ?」

「ん?ライブ構成についてのやつ」


大倉はそう言って資料をカバンの中から出した。
ニヤニヤしてるから多分わざとここでやるつもりやわ。
ここの楽屋は後から他の3人も来て、夜の仕事用の楽屋になるから。
敢えて空き時間に仕事するつもりやったんやろうな。


「俺が行かなあかん理由がないやんかぁ」

「お願いやん、丸ちゃぁん」


ちょっと上目遣いの大倉は年下感が最大限に出てて、可愛らしい小動物みたいや。



最近、一番年下やのに誰よりも前に立って俺らを引っ張ってくれてる大倉。
誰よりもヘタレで、甘えたで、わがままばっかり言って、大笑いしてた大倉の姿はもうここにはなかった。
5人で語り合った日々の中で、その姿を置いてきたんや。
まぁ今でも素質は変わらんけどね。

それでも、大倉の抱えてるものは多分俺には抱えられへんから。


「……どこにあるん?そのお店」

「えっ!?行ってくれんの!」

「その代わり、今日の夜の収録で襲撃するからな!」

「いや、その宣言怖すぎやろ!」


別に甘やかしたいわけじゃない。
でも、なんとなく年上としての振る舞いをしたかった。
大倉にとっては6人も居たお兄ちゃんが4人に減ってしまったんやから。
なら、6等分してた甘やかし方を4等分にしていかなあかん。




7等分を5等分に変えていくように。




俺は大倉から教えてもらったお店に向かう。

意外と近くにあって、人通りも少ないところやった。
どうせみんな来るんやったら全員分買おかな。
裕ちんと信ちゃんはなんとなく買いたいもの決まってるけど、章ちゃんが最近食べへんしなぁ……。

1人でうーんと悩んでいた時やった。




「はい、ここですね。買ってくる物は俺の好きなもんでええって言うてたんで、適当に選びます」




聞き馴染みのある声が聞こえてきた。
目の前には愛おしいその姿があった。
そして俺は思わず呟いていた。


「………亮ちゃん?」

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設定タグ:関ジャニ∞ , ほほえみ , 橙黄   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:ひなまる | 作成日時:2022年6月27日 17時

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