罰ゲーム (ページ32)

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緑side ページ32

あれからヤスと2人で飲みに行き、いつも通りの俺らのように馬鹿騒ぎしていた。
気にしてへんなんて言ってたけど、ヤスはちょっと泣きそうになってた。
ホンマは絶対傷ついてた癖に、いつまでも優しい奴や。

ヤスは俺が丸を気にしすぎてるって言うけど、ヤスは俺のこと気にしすぎてるで？
ヤスだって、一番に自分を大切にしてほしいねんから。

これ以上誰のことも苦しめたくないからこそ、今は丸ちゃんのことを気にしてしまう。
けど、そんな俺を気にしてヤスが苦しくなるなら本末転倒になってしまう。

「大倉」

「ん？」

「大丈夫やから、安心していこうよ」

根拠の無いヤスの言葉は心地よくて、頷くことしか出来んかった。
そのまま俺らは解散して、それぞれの家に帰ることにした。

丸ちゃんはもう大人であって、俺がそんな気にするような人でもない。
わかってるし、ヤスもそれが言いたいんやろう。
俺はちょっと冷静さを無くしてたんかもしれへんな。
やからこそ、ヤスは俺の事を予想して先回りしてたんか。

「…………流石やな、ヤス」

俺は優しい幼馴染のことを思い出して思わず笑ってしまった。
明日から、何となく、今よりは気楽に行けるかもしれへん。
そんな、根拠の無いことすら考えていた。

目の前を見るまでは。

「あれ、大倉？」

昔よく聞いた声で俺の名前は呼ばれた。
顔を上げたらそこにはやっぱり予想通りの人が居て、俺は思わず息を飲んでしまった。

そこに居た人物はさっきまで丸ちゃんが着てたTシャツを着てたから。

「…………亮ちゃん」

ヤス、どういうことなん？
なんで、丸ちゃんと亮ちゃん会ってんの？
知ってたん？それとも知らんかったん？
約束は最初から夕方までやったん？それとも丸ちゃんに言われてたん？

なぁ、なんでなん？
なんで、丸ちゃ「久しぶりやな、こんな所で会うなんて思わんかったわ」

我に返ったら、さっきまでちょっと先にいた亮ちゃんが俺の目の前にいた。

「ほんまやね」

「今から家帰る感じ？大倉、酒くさいし」

「…………ヤスと、飲んでたから」

「章ちゃんとか！相変わらず仲ええなぁ」

なぁ亮ちゃん、なんで丸の服着てんの？
まさか、丸の家から出てきたん？
そっち方面やんな、丸の家って。

別れてんのやろ、2人って。
なんでなん、何でそれやのにあんなことしてんの？

「…………大倉？」

「………………て」

「えっ？」

なぁ、もうやめてや。

「丸ともう会わんといて」

丸のこと傷つけんといて。