罰ゲーム (ページ31)

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青side ページ31

「なるほどね、それで3人になったんやね」

「そう！やから、3人で今日は久しぶりにゆっくりしよなぁ」

「おん！」

大倉は俺と丸の会話を聞いて、少しだけ気まずそうにしてる。
丸は多分気がついてないし、普通に「たちょも絶対好きなランチやからなぁ」とか言ってる。

ごめんな、大倉。
大倉が丸の休みの日を埋めようとしてること、何となくわかってた。
やから、“夕方まで”の先約をさせてもらった。
そしたら大倉が丸を誘った時の先約は優先的に“俺”になるわけで、その先はきっと触れられずに終わるから。

俺は、やっぱり丸と亮のことちゃんと見届けたいから。
2人の関係性が今どうなんか知らんけど、それでも最後まで見てたいから。
最近、ヒナちゃんは分かりやすく体調を壊してる。
そこはもう横ちょに全部任せてたらええねん。
やからこそ、大倉のことをちゃんと見てあげられるんは俺しか居らんから。
これ以上、誰もしんどい思いはして欲しくないから。

丸は予想通りに『夜から先約あるから、夕方まででも良い？』と言ってきた。
俺は笑顔でそれで良いと返した。
だから今回はランチとちょっとお喋りだけの約束。

大倉に誘われたという話を聞いて、俺は内心ホッとしてた。
全てが上手く行きそうで安心したのか、それとも久しぶりの3人の空気が悪いものではなかったからなのか。

そのまま解散時間までトントンと進み、楽しい時間だけが進んで行った。
丸は歩いて帰っていき、俺と大倉はそんな丸を見送っていた。

「…………先約が何でお前やねん」

「え、ふつうに約束してたから？」

「そういう話ちゃうやろ…………」

大倉は気を張っていたのか、急に溜息を吐いてしゃがみ込んだ。
最近よく見る大倉の姿やなぁ、とか考えていた。

「大倉は考えすぎなんちゃう？」

「…………何の話やねん」

「色々な話やで。丸のこと気にしすぎて、自分のこと気にしてあげられてないもん」

「………………なにそれ」

「大倉！夜ご飯食べに行こう！」

「いや、急やな」

「やって、久しぶりやん？最近忙しかったしさ」

俺は大倉の方を見ずに先に歩き出す。
そしたら、多分大倉は着いてきてくれるから。
やけど、大倉はその場に立ち上がっただけでその場で俺を見つめていた。

「ほら！行くで〜！」

「ヤス」

「ん？」

「あの時、嫌な言い方してごめんな」

真っ直ぐ言われて、俺は誤魔化すように「気にしてへんよ」と返した。
ホンマはちょっと泣きそうやったけど。