光の魔導士《ブラッククローバー》

深夜の独白 ページ36

捻くれた奴だとよく言われるし、自分でもそうだと思う。素直とか優しいとかの耳触りの良い言葉とは真逆のところにいると思う。
皮肉は言っても相手を心配して言った訳ではない。そもそも他人の心配をするほど優しい人間じゃない。 それなのに、

自分の胸の中ですやすや眠る彼女を見る。
…コイツといると、どうも調子が狂う。コイツと一緒にいる時だけは表情が柔らかいと団長に言われたのは記憶にも新しい。自覚は全く無いのだが。というか普段どんだけ表情固いんだ自分。
−初めて会ったときは、得体の知れない奴だと思った。ニコニコ笑っているが何を考えているか分からない、全てを俯瞰したような瞳で見つめられると、自分が見透かされているようで、正直、恐ろしかった。
だが、彼女は明るかった。底抜けに。ヤバい奴かと身構えていた自分が馬鹿らしくなるほどに。
頭の回転が早く、戦闘は間違いなく団の中で五本の指に入る腕前。気配りも出来るし愛想も良い。あと顔も。
完璧な人間もいるんだなと密かに感心していた。まあ関わる事も無いだろうが、とも思っていた。
しかし予想に反して任務等で共に行動する事も多く、完璧な様で何処か抜けている頼りない彼女をサポートしていく内に、段々と、彼女と一緒にいると不思議と気持ちが安らいでいる自分に気がついたのだ。

……ああ、もう、本当に、心の底から、

「好きだよ、セタ」

不意に口をついて出た言葉に、慌ててセタを見るが、彼女は夢の中。聞こえていなくて本当に良かった。

彼女の事が好きなのは自分だけでは無いだろう。金色(ウチ)だと幼なじみだというアイツが怪しいし、銀翼の団長なんて確実に惚れている。…たぶん。
それでもいい。やってやろうじゃないか。何せ僕は生粋の捻くれ者だ。ライバルが多ければ多いほど燃えてくる。
だから覚悟しろよ、という宣戦布告のような意味を込めて、彼女を起こさぬよう、静かに、でも力強く、抱きしめた。





▽ついに立てちゃいましたね恋愛フラグ。やっちゃったぜ感が半端ない。でもオチはまだ決まっていません。ランギルス派じゃない方ご安心を。オチアンケはちゃんと取りますから。

そういえば新作アンケートの投票ありがとうございました。１位は皆大好きブラクロでした。いやもう作るなよに投票が無くてほっとしています。
推しはユノなんですけど最近ランギルスが来てます。やばいです。最近のジャンプ読みました？ノゼルさんが可愛すぎて死ねる。新作鋭意製作中。

マルクスくんごめんね！！→←お見舞い

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