十七話 ページ18
尾「山で一泊する。」
『分かりました。』
尾「が、その前に。酒を買う。」
『へ？』
尾「盃を買わなきゃ行けねぇらしいからな。」
『！！』
意外と忠実な男だとAは驚いた。
マイペースで心の読めない根暗な野郎だったと、のちに彼女は笑いながら話すのだろう。
『酒はなんでもいいんですけど、飲み方が重要です。
尾形さんの好きなものを選んでください。』
尾「飲み方なんてあるのか。」
酒屋によったあと、山に入る。
薪を集めて焚き火をくべると二人の周囲を温かい空気がかこった。
『まずは、宗家、、つまり主人のほうに多めに酒を注ぎます。
そのあと、尾形さんは酒を飲んだら私にこう言ってください。
「わたしの灯火を知らないだろうか」
そして尾形さんはわたしに、自分の酒を半分注いでください。
そのあと私が返事をしたら、契約成立です。』
尾形はゆっくりと酒を注ぐ。
周囲には、焚き火のチリチリという音だけが響いていた。
酒を少しのんだ尾形は言う
尾「…私の灯火を知らないだろうか」
Aの差し出すおちょこに酒が注がれ
彼女はそれを飲みこう言った。
『それはすでに我の灯火と化すなり。』
しばらくの沈黙の後、Aはこう告げた
『宗家と分家という括りではあるが、あくまでも、盃を交わしたということは平等な関係になったということです。』
尾「俺の火が消えればお前の火も消える。
お前の火が消えれば俺の火も消える。
なぜなら、二つの火は一つの灯火だからというわけか。
それゆえに平等…。
ならA。敬語は使うな。それと、
俺の下の名、百之助と呼べ。」
『！！』
敬語の解除、それはAにとって、平等だと認めてくれた証に等しかった。
『よろしく、百之助さん。』
二人はニヤリと笑い合う。
それはそう、まるで、
悪巧みをする山猫のように………。
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リズリズ(プロフ) - HA LUさん» 大変申し訳ありません！確認してきますね！ご指摘ありがとうございます^_^ (2020年8月26日 20時) (
レス) id: 9e42cd99bf (このIDを非表示/違反報告)
HA LU(プロフ) - 五話の最後の方の尾形さんが話しているはずなのに鶴見さんが話しているみたいなんですけどこれは間違いですか？（尾「ーーー。」←これじゃなくて、鶴「ーーー。」←こうなってます） (2020年8月21日 18時) (レス) id: 4520b61900 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：rizu x他1人 | 作成日時：2020年4月28日 20時
