山猫と山猫［尾形百之助］弍 (ページ10)

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五十七話ページ10

朔「本当はおまえを家に連れ帰って、静かな暮らしをさせるつもりだったが…尾形は、いいやつなのか？」

『とても。ちょっとミステリアスなんだけど
一緒にいて苦じゃない。

多分、私が惚れた人と雰囲気が似ているからかなぁ。』

朔「そうか…。そいつは、どこでみたんだ？」

『崖だよ。海が見えるの。そこに一人で座ってた。』

朔「おいA！！そいつは…！！」

朔太郎が何か言おうとした時だった。

「一気に畳み掛けろおおおおお！！！！！」

第7師団が、攻めてきた。

『！第7師団…！』

朔「一旦外に出るぞ！」

二人は外に出ると、軍の数の多さに圧倒される。

二人は、ここまで大量の軍と戦う訓練は、数えられるほどしかしていない。

『私が近接で戦う。兄様は、屋根に登って狙撃！』

朔「それで行こう！」

"紅桜兄弟の共闘"

紅桜家では年に一回、公開訓練がある。

毎年第五師団を相手に紅桜の長男女が戦うものであり、その名物がそれであった。

「紅桜A！おまえは殺さないよう指示されているが、場合によっては殺す！！」

『殺せたら、ね？』

Aは短刀で次々と兵士らを倒していく。

朔「結構多いが、よく見れば一等卒ばかりだな。

　！？あれは！！

そこまでしてAを手に入れたいのか！鶴見！」

朔太郎が見つけたのは砲弾であった。

その口が、Aのほうに向けられているのを察知した朔太郎

自分の周りに居た兵士達を皆殺しにし、彼女のもとへ向かった。

Aは、一人の兵士に手こずっておりその場に動かずに居た。

『あなた、私をここから動かしたくないみたいだけど、なにか企んでるの？』

「おまえを捕まえられるのなら、おれはこの身を削ってでも目的を果たす！

上をみな！バカ女。」

相手に気を取られたAの頭上には数弾の砲弾があった。

それが落ちる直前。

朔太郎はAを引き留めていた兵士を撃ち、

彼女を、思い切り押し飛ばした。

『！！！朔太郎兄様！！！！』

Aがそのご見た兄は、下半身が無かった。

『兄様！！！』

朔太郎に駆け寄るA

あまりにも残酷な姿に第7師団は情けをかけ

兄弟の行く末を見守ることにした。