山猫と山猫［尾形百之助］弍 (ページ49)

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九十二話ページ49

杉「あれれー？尾形くん図星！？」

白「しかもおじさんだって！ﾌﾞﾌｯ」

尾形をからかう杉元らにAは冷ややかな目を向ける

『私の胸の話でそんなに盛り上がらないで欲しいんだけど。

　それに、子供の言うことなんだから、真に受けちゃダメだよ百之助さん。

　それよりチカパシ、肝心の谷垣という軍人さんはどうしたの？』

イ「それが、谷垣ニシパは昨日から追われているんです。」

ア「誰に追われてる？」

イ「この辺りで最近家畜や野生の鹿を斬殺して粗末に扱う人間がいるらしく

カムイを穢す人間がいる、と怒った地元のアイヌは
谷垣ニシパが犯人だと誤解して殺気だってます。」

杉「さっきアシリパさんと狩にいったとき、滅多刺しにされた雄鹿をみたよ。

　もしかしてそれが…。

そしてその犯人は、詐欺師の鈴川が言っていた囚人かもしれない。

　アシリパさん、俺たちで真犯人をとっ捕まえて阿仁マタギを助けに行こう！」

『でも情報が少なすぎる。

　インカラマッ、だっけ。
　
　谷垣とやらが終われるまでの経緯を詳しく話して欲しい。覚えてる限り古い記憶から。

　その方が場所を限定して創作可能になる。』

ア「そうだな。」

杉「地元アイヌが殺しちまう前に助けねえと。

　手短に頼むぜ。」

インカラマッはポツポツと話を始めた。