山猫と山猫［尾形百之助］弍 (ページ4)

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五十一話ページ4

朔「？A、どうした？」

朔太郎7歳

訓練の終わった彼は、庭で座り込むAを見つける

『え、えっと、なんでもないよ！、！』

朔「なんだよ、兄様に見せてみろ！怪我でもしたのか？」

Aが待っていたのは一枚の紙だった。

朔「なんだよ、これ…。」

A「この前、お家に男の子が来たでしょ？

　その子と、その子の親が結婚の約束を
　しませんかって言ってきたの。

　父上はもちろんって言ったんだけどね、
　わたし、そういうのよくわからないから
　ごめんなさいって言ったの。

　そしたら男の子が
これ投げて帰っちゃったの。」

Aが持っていたのはいわゆる恋文であった。

『なんか悪いことしちゃったかなぁ。
　その子泣いてたし…。』

朔「おまえは自分が好きな奴と結婚すればいいんだよ！！それに、その話おまえには早すぎるよ！」

『そうだよね！！』

Aが13歳になるまでは、家になんども男児が訪れては許婚の誘いをしにきていた。

しかしAは断り続けた。

しかし彼らの父がここまでAの許婚を見つけようとするのには理由があったのだった。