山猫と山猫［尾形百之助］弍 (ページ30)

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七十六話ページ30

逃げる鈴川

「そっちじゃないぞ」

逃げる鈴川

鈴「エンカオピウキヤン！！

悪い連中に追われてる！」

キ「悪いやつぅ？どんな連中だ？」

逃げるすずかわぁ

鈴「み、みずをっ…ぎゃあ！！！」

逃げる、すずかわぁあぁああ！！！！！

鈴「ぐえええ！！」

※ここまで付き合っていただきありがとうございました

鈴川は牛山によって潰され、身動きが取れなくなった。

牛「俺たちから逃げられると思ったか？」

鈴「猿カニ合戦か！！」

鈴川は土方らから逃げるべくあらゆる手を使ったが元囚人に元軍人があつまるこの一行から逃げられるわけがなかった。

尾「鈴川聖弘よ。この三十年式歩兵銃の表尺をみろ。

　二千メートルまで目盛りがあるな？二千メートル先まで弾丸が届くってことだ。

　二千メートル以上俺から逃げ切れるか、試してみるか？

　ちなみにそこにいる女も外国のライフルを持っててなぁ、俺よりも腕が立つかもなぁ？」

『あなたのハートもロックオンしちゃう？

　いろんな意味で。』

杉「Aちゃん多分それハートって心臓だよね！？
　一瞬ロックオンされたいとか思ったけどそれ
　危ない方だね！？」

そこへ以前よりも大きいストゥを持ったアシリパが登場するとさらに現場はカオス状態となる。

キ「あんたのストゥでかいな…」

牛「お前のも立派だぜ…。」

彼らは旭川の街中では目立ってしまうため、近くのコタンで潜伏し作戦を立てることにした。

『あとで街に行かなきゃ。』

キ「俺も行こうかい？嬢ちゃんは今アイヌの服を着ているし、これで街に行けば怪しまれないはずだ。」

『あー、えっとキロランケさんだっけ？

　よろしくする。』

Aはアイヌの服に未だ慣れないため
早く洋服に着替えたいと思っていたのだ。

鈴「俺にどうしろっていうんだ！」

土「お前が樺戸監獄から囚人を脱獄させたように第7師団から白石を助けだせ。」

永「方法を考えろ！お前は詐欺師だろ。」

おじいちゃん勢が騒ぎ出すので杉元は家主に謝罪してこう続けた。

杉「おい鈴川、協力しないなら俺がお前の皮を剥ぐ。

　この計画でドジを踏めばお前は第7師団に皮を剥がされる。

　お前が皮を剥がされずに済む道は計画を成功させるしかない。」

光る眼光に鈴川は一瞬たじろいでいた。