山猫と山猫［尾形百之助］弍 (ページ23)

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六十九話ページ23

牛山が今女性はなんといったのかと聞くがエクロクは和人を罵る言葉だと言った。

「ウンカオピウキヤン！！！」

すると今度は中にいたエクロクの妻らしき人物がそう叫ぶ。

杉「なにか失礼をしただろうか…。」

エ「いやいや…。」

尾「やはりどうも様子がおかしいぞ。

　それに、Aの言う通りこいつらは樺戸監獄の
　囚人の可能性が高い。

　数年前ある土地でアイヌの男の死体が数十と発見される事件があった。」

杉「まだいうか！よしわかったぞ。

　さっきそこのシントコの裏に落ちてるのが見えた！

　これを使って見せてくれ！ほんとのアイヌなら使い方が分かるはずだ！」

そういって杉元が出したのは子供たちが遊ぶ、耳長お化けを装う棒であった。

まずは牛山がやってみたがどうにも奇妙な劇が始まってしまう。

そして次に村長に番が回るが彼は椅子として
それを使う。

杉「なるほど…そういう使い方も…。」

呆れた尾形とAは自分もやるといった

杉「ちょうど日本あるから2人でやってみなよ。」

棒を渡された2人は互いの顔を見てニッコリと微笑みあった。

杉「Aちゃんはともかくぅ～尾形にわかるかなぁ？」

尾形とAは棒を振りかざす

そして尾形は村長の足の小指に

Aは村長の目に

それぞれ棒を振り下ろした

(((メキッ

村「いたたぁあああ！！！！」

尾「この使い方が正しかったようだなぁ。」

『あ、ごめんなさい。ちょっと手が滑って目に刺さっちゃいました。』

牛「この2人タチ悪いなおい！！

というか、じいさん日本語が話せたんだなぁ。」

なんてことするんだと騒ぐ杉元はさらに、アイヌになりすましてなんの価値があると尾形に叫ぶ

尾「そうだな、俺もぜひそこが知りたいね。

　ちょうどもどってきた弟くんに聞きたいこともある。」

杉「あれ？アシリパさんは？」

エ「弟が言うにはあの娘は近所の女性に刺繍を教わって夢中になっているようだ。

　まあこんなところは子供に見せないほうがいい。」

これをきいた杉元の顔が一気に暗くなったかと思えば先ほどの棒でエクロクをぶん殴った。

そしてふっとんだエクロクの足に見えたのは…

『やっぱり、くりからもんもん。みーっけ！』

尾「みーけっ。」

牛「お前らほんとこわい」

アシリパの所在を気にする杉元がついに怒り狂いこう叫ぶ

杉「ゔぇろららろごうろらろゔぁあああ！！！！！」