六十七話 ページ21
一行は山を進むと、アイヌの村、コタンを見つけた。
ア「みろ杉元、コタンがあるぞ。
樺戸までもうすぐだけど休ませてもらおう。」
Aは先日の戦いにより服が穴だらけであるため裁縫道具を貸してもらえるかもと、密かに期待した。
杉「この村にもアシリパさんの親戚がいるの?
婆ちゃんの15番目の妹とか?うふふっ」
ア「フチの15番目の妹は釧路にいる。
この辺に親戚はいない。初めて来た。」
そこへ、コタンの住人の男がやってきた。
異様に日本語がうまいので杉元が疑問に思うと、どうやら和人相手に荷揚げ仕事をしていたらしくそこで覚えたらしい。
Aはコタンを見回すとあるものを見つける
『なに、あれ。』
男「あぁ、子熊のおりでね少し大きくなるのが早かったので別のに移すとこだったんだ。
気にしないでくれ。」
しかしここでAは疑問に思う。
アシリパから聞いた話では、クマはあらゆるカムイの中でも、アイヌにとってとても大事なカムイだ。
そんなカムイをたとえ成長が早かったとしてもあんな小さい小屋に放置するだろうか。
Aがアシリパをちらっとみると、アシリパも疑いの目を隠さないでいた。
男はエクロクというらしくこの男の村長、レタンノエカシに滞在の許可をもらえと言ってきた。
杉「アイヌの家を訪問する時は、いくつか作法があるんだ。俺はこれまで何度かやってるからよく見ておけ。
騒ぎを起こしたくなければ行儀良くしろよ。
特に尾形。」
まずは家の外で咳払いをし、それに気づいた家の人は主人が入るのを許可したあと掃除を始める。
数十分後…
牛「ねぇ、まだなの?」
待ちくたびれた牛山は呆れ始め、尾形は舞う蝶を猫のように追いかけ杉元は少年のように「でっけえあり!」と叫び始めた。
Aは依然アシリパの様子を見ている。
先程家から出てきた人物が入る許可をくれた後
背筋を伸ばさず、全員で手を繋いで入るようにと杉元から忠告される
アシリパはまっさきにAの手を取るがそれに気づいた尾形が視線だけでアシリパと冷戦を始めた。
尾形はもう一方のAの手を繋ぐがAは両手から外側への引力をひしびしと感じていた。
アシリパは、頭の鉢巻きを取らずに家へと入った。
中に入ると村長が礼拝を始めた。
それに対してアシリパが当然
ア「ムシオンカミ。」
と指を刺して村長に言い放った
ここで、Aの疑問は確信へと変わる
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メルテア(プロフ) - ヒィんここまでノンストップで読ませて頂いてるのですが好きです!!夢主と尾形尊すぎるッ!!!ひぃん…… (2023年2月17日 22時) (レス) @page49 id: 35f1110521 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:rizu | 作成日時:2020年5月4日 14時