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六十二話 ページ16

Aは夜中に目が覚めた。


外に出ると星が瞬いている



『さむ。』





Aは近くの木にもたれ掛かり星を見ていた。


兄はあの中の一つになれたのだろうかと思いながら。






尾「傷が痛むか。」




『いや、大丈夫。おこしちゃった?』




尾「お前と話したいことがあってな。」




『何?』




尾「お前、俺が花沢勇作の腹違いの兄だと聞いていただろ?」






『…うん。』




尾「いつからだ。」





『私が銭湯に行った日、兄様に待ち伏せされてたの。


 それで、聞いた。』





尾「俺が、勇作殿と父上も殺したことは聞いていたか?」






『聞いてた。』





尾「やはり、か。夕張で別れる前、

  お前は、紅桜上等兵が俺の父親が花沢中将だと
 行った時驚ろくどころか、
 おれから目を晒したからな。





 なぜそれを知っていて、俺についてきた。

 俺は勇作殿の仇だぞ。」







『…わたしが見るべきなのは、私に接してくれている今の百之助さんだと思ったから。


 勇作さんは確かに私にとってとても大切な人
だけど、、、あなたを殺しても勇作さんが帰って
来ることもない。




 あとは多分、私が百之助さんをお慕いしてるからかなぁ。』






Aは尾形に淡い笑みを浮かべる。


尾形はそんな名前を見て勇作を思い浮かべる





いつも自分に付き纏い、兄様、兄様と呼んでくる、
鬱陶しくもあり、






自分の存在を祝福しているのではないかと期待を込めた人物を________







今度はその手を離したくないと、



尾形はAに手を伸ばす









手をAの頭の上に置く







尾「俺も、お前のことは別に嫌いじゃない。」







月明かりに照らされる二人の顔


どこかで確信を得ていた







自分たちはお互いを祝福しているのだと









尾「いやだったら、俺をつき飛ばせ。」



『う、ん。』









尾形はAの顎をすこし持ち上げて



壊さないように

ゆっくりと





口付けをする。









『…。もう、寝る。』



尾「あぁ。」









互いの思いが伝わっても







2人を結ぶ道はぼやけたままだった。
 

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メルテア(プロフ) - ヒィんここまでノンストップで読ませて頂いてるのですが好きです!!夢主と尾形尊すぎるッ!!!ひぃん…… (2023年2月17日 22時) (レス) @page49 id: 35f1110521 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:rizu | 作成日時:2020年5月4日 14時

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