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六十話 ページ13

ア「イタドリの若葉と、ヨモギは傷に効く薬草だ!

  あとは熊の油も塗っておけば傷跡が残らずに
  完治できる。」



『ありがとう。』



牛「しかし、傷の治りが早いな。

 昨日ここについた時より傷がへってらぁ。」


杉「体質的なあれかな…。」



『今回向こうが私を殺す気が無かったのが幸い。

 腕以外はかすり傷で済んだ。』




Aは杉元と合流してから空ばかり仰いでいた。

まさか家族全員が自分を守るために命を張っていたなど思ってもいなかったからだろう。




ア「なにか食べたいものはあるか?

可能な限りでつくるぞ!」



そこへ尾形が帰ってきた。


尾形の手には大量の薬草とヤマシギが握られていた。




牛「お前よくその銃で獲れたな!」


尾「ふんっ!」


牛「こいつムカつくな!」


杉「その薬草の量…よっぽどAちゃんに直って欲しいんだねぇ。」



ア「尾形は私にどの薬草が効くか聞いてきたからな!


それで、なにが食べたいんだ?A!」







『ヤマシギの、焼き鳥。』


Aは顔をぽかんとさせて尾形を見る。

覚えていたのかと言った表情で。




尾「…。」



杉「ええ?Aちゃん、尾形に気使わないでいいんだよ?

 他に、食べたい動物とか、魚とか、いるんじゃない?」





『わたしが、好物がヤマシギの焼き鳥だって
 言ったの。』








杉「アラァ、尾形さんったら優しい!」



牛「健気だわぁ。」



ア「早速焼こう!」





Aからは尾形の横顔しか見えなかったが
かすかに、彼の目がAを捉えた時



二人は柔らかく笑った。









ア「A!肝臓と、脳みそをたべろ!」




『…それ、大丈夫なやつ?』



ア「血を増やさなければならないだろう!」





Aはアシリパにまたもやあーんをしてもらいながら

ヤマシギの脳みそなどを食べさせられた。






ア「うまいか?」




『…珍味。美味しいけど。』




杉「街でお米ももらえたから、おかゆも作ろう。」



牛「しっかり元気になれよA。

  じゃないと永倉の野郎が泣き始めるからよ?」



尾「あの爺さんすっかりお前のこと孫だと思ってるからな。」





Aは、お粥の入った茶碗と、スプーンをもらうが
傷の深い右腕が痙攣してしまい、
スプーンを落としてしまう。



『左で食べるか。』

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メルテア(プロフ) - ヒィんここまでノンストップで読ませて頂いてるのですが好きです!!夢主と尾形尊すぎるッ!!!ひぃん…… (2023年2月17日 22時) (レス) @page49 id: 35f1110521 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:rizu | 作成日時:2020年5月4日 14時

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