【twst】唯一の4年生は小さかった (ページ3)

今日:2 hit、昨日:2 hit、合計:16,973 hit

でっかいウツボとちっさいサメページ3

「…確かに、僕はサメだけど……小ザメって……なんで？」

何故、この生徒は名前を教えたのにも関わらず、いきなり"小ザメちゃん"などと言ったのだろう。
彼がニヤリと口元を開けば、ギザギザの鋭そうな歯が見えた……こいつは肉食か。

「なんでって、見た目はサメっぽいし、ちっさいからぁ～。あはっ、ちっせぇのに凶暴そうだしぃ…ね？」

こいつ…わざとか知らないが、人のことをちっさいちっさいって余計なお世話だ！！

「嗚呼、フロイドこちらにいましたか…おや？貴方は初めて見る方ですが、ずいぶんと可愛らしい容姿で…」

「あ～、ジェイドじゃ～ん。もう授業終わったの？
……でしょ～？ちっちゃくってぇ、可愛い小ザメちゃん？」

……え

鏡を写したみたいにそっくりな顔をした彼ら
いや、でっか！こっわ…てか、僕ちっちゃいんじゃなくて、君たちがデカ過ぎるだけでしょうが！！

「…えっと、もう行ってもいいかな…？？」

「おやおや、もう行ってしまわれるのですか？
もしよろしければ、放課後にモストロ・ラウンジへ来てください。…フロイド、僕達も行きますよ。」

モストロ・ラウンジ…嗚呼、オクタヴィネル寮の生徒だったのか。なるほど、つまり彼らは人魚とね…
……にしても、高身長羨ましい。
そう思いながら、一人鏡の間に繋がる廊下を歩く。

～【鏡の間】～

とりあえず、スマホのメッセージ機能でリリアちゃんに連絡しよう。
マジカメは、やってるけどあまり目立ちたくないからね。

「…送信っと」

「なんじゃ、わざわざ連絡してくれたのかの…これは悪いことをしたな。」

「うん、まぁ連絡しといても支障ないしねぇ……え」

…ん？っっと、えーと……

「なんでいんの？リリアちゃん」

ちょうど送信ボタンを押した瞬間に上から声がして…
…うん、そう、リリアちゃんって、上からなんだよ…
え、上から？って思った人は、分からないよね。

「居ては悪いのか？(うるうる…」

「…悪くない、です…うっっ、相変わらず可愛いね。
リリアちゃん、可愛い」

「うむ、そうじゃろそうじゃろ。相変わらず、わしの愛らしさに反応してくれるのは、もはやお主しかおらんじゃろうな…」

すとんと、その小柄な体を地へと下ろしたリリアちゃん。
うん、相変わらずの可愛らしさだ…女の子みたい。
その凛としたそれでいて幼さを残した顔立ちに丸い大きめな猫瞳。誰に聞かれても一番可愛いのは、リリアちゃんだと僕は思うんだ。

「…して、どうしたのじゃ？」