ハンカチがきっかけで【アレスの天秤】 (ページ8)

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６.勧誘ページ8

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私から話題を振ることはありません。いえ、話すことなんて無いからです。

私というモブと居て、何がいいのかさっぱり分かりません。私が黙々と本を読んでても、まだ居る基山さん。

メンタル、凄いですね。

「氷雪さん、お話しようよ」

『………遠慮しときます』

お願いだから、私の元から去ってください。これ以上、貴方が居ると輝かしいオーラによってトロトロに溶けてしまいます。

それにしても、何故彼は私と会話をしたがるのだろうか。容姿・勉強・運動なんて、何処にでも居るような感じなのですよ。

おまけに前髪が長いという不気味さ。＿＿＿＿＿＿＿＿それなのに近付く彼は、相当な物好きなのかもしれない。

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「氷雪さんって、マネージャーとかに興味ある？」

『いえ、全くないです』

「マネージャー、やってみる気はないかな」

『あの、聞いていました？』

急にマネージャーの話を出てきた基山さん。本当に彼は可笑しな人だ。

マネージャーだなんて＿＿＿＿平凡生活を一瞬にしてぶっ壊すじゃないですか。それだけは嫌です。平凡で……モブらしく卒業したいのですから。

『私ではなく、他を当たって下さいね』

「………本当はマネージャー募集とかはしていないんだけど……

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＿＿＿＿＿氷雪さんって面白い人だからさ……サッカー部に入れてみたくなったんだ」

元々募集をしていないのならば尚更である。この学園には、サッカー部のマネージャーをしたい方は沢山います。

なのに、面白いからという理由で入れられたら、間違いなく集団リンチ決定じゃないですか。

『＿＿＿＿取り敢えず、お断りです。マネージャーがほしいのなら、そこら辺の女性に頼んで下さい』