#52 ページ6
『入っても良いか』
俺はいつも通り管理室の扉を開ける。
ノックもうええわ、とロボロに言われたのでノックはもうしていない。
rbr「ええよ」
俺は入室してロボロの隣に椅子を運び座る。
rbr「いよいよ明日、やな」
珍しくロボロから口を開いた。
『そうだな』
沈黙が流れる。
rbr「なんや、緊張でもしとるんか」
ロボロが耐えきれず失笑する。
『緊張もしているかもな』
ロボロは忙しそうに手を動かし続ける。
『俺には未来が見える』
rbr「はぁ…？頭おかしなったんか」
またロボロに笑われた。
『正確に言えば断片的に頭に映像が流れてくるんだ。
今までの経験から頭が勝手に展開を予想する。
これは、悪ければ悪い程鮮明に見える』
いつの間にかロボロは手を止めて話を聞いていた。
rbr「それを今言うっちゅうことは何か見えたんか」
そうだ。見えたんだ。
『ゾムは人質に取られ、俺は手も足も出ない』
そして、最後くらい遊んでくれよ、と言って笑う俺。
この言い方からして俺は死ぬ＿＿のだろうか。
俺は今回はこの展開が起きることを前提として作戦を立てた。
今回は余りにも鮮明に見え過ぎている。
rbr「そか。でも俺らは勝つんやろ？」
ロボロは自身満々に俺に言う。
『そんな状況でも負けは許されないからな』
作戦は誰かが相当動揺しない限りは完璧に進むと考えている。
『城に潜入する時は言わずともロボロの力を借りることになる。忙しいだろうが頼むぞ』
未来はきっと変わらない。
今までもそうだった。
だからきっと俺は死ぬのだろう。
rbr「任しとけや！」
俺はロボロと拳を合わせた。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
gr「興奮を冷ましにでも来たか」
夜風に当たっていると後ろからグルッペンが来た。
『グルッペンじゃないんだからさ。この街の風景を見ていただけだよ』
俺が呆れた様に笑うとグルッペンも笑った。
gr「失敗は許さないゾ」
『ハイル・グルッペン。必ず成功させて見せる』
俺が笑って敬礼をするとグルッペンも笑って敬礼を返して城内に戻って行った。
今沈んでいる日が昇ったら出発だ。
俺の命は既に我々国のものである。
この国が勝つなら俺はどうなっても構わない。
俺のこの国への忠誠心は既にその段階まで来ていた。
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りと - お疲れ様です！何と言ってもあの話が…と言いたいところですが何故か一番好きなのは作者様の敬語でユニークなことを言ってる時ですかね…(何だこいつ)兎にも角にも、楽しませて戴きました！面白い作品を世に放って下さり有難う御座います！！ (7月24日 9時) (
レス) @page50 id: ffe5a6a019 (このIDを非表示/違反報告)
さささ(プロフ) - わんぱんさん» そういうことです！読んでいただきありがとうございました！ (2020年11月22日 20時) (レス) id: 328f3541a2 (このIDを非表示/違反報告)
わんぱん(プロフ) - ああああ！！！61とか紛れ込んでると思ってたがそういう事か！すごい面白かったです！感動しました！素敵な作品ありがとうございました！ (2020年11月20日 7時) (レス) id: b542029aeb (このIDを非表示/違反報告)
さささ(プロフ) - れいんさん» ありがとうございます…！ (2020年4月23日 19時) (レス) id: 328f3541a2 (このIDを非表示/違反報告)
れいん - お疲れ様です。とても感動しました。 (2020年4月22日 14時) (レス) id: 4d71c550a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さささ | 作成日時：2020年3月18日 8時
