短編小説 /仲良し姉妹/ ページ19
――――『鼻梁にキス』
「……おねえちゃん」
「なぁに？」
「鬱陶しいんだけど」
彼女は面倒くさそうに溜息を吐いた。
そんな彼女なんてお構いなし、という風に彼女の姉はにこにこと笑顔を見せている。
「そんなこと言って、実は結構嬉しかったりするんでしょ？」
「勘違いするなよ馬鹿姉貴」
彼女はもう一度溜息を吐くと、閉じていた本をぱたんと閉じた。
そりゃあそうだ。姉が隣にぴったりと寄り添い、構って欲しそうに此方を見ているというのに、読書なんかに集中できる訳がない。
「おッ？おねえちゃんと遊ぶ気になったのかな？」
「………五分だけ」
わーい！と叫びながら、姉は引き出しを漁る。
「トランプがいい？ＵＮＯがいい？人生ゲームとかやる？」
「五分って言ったでしょ……」
子供っぽく、可愛らしい姉だが、もう今年十八歳になる。
顔立ちも幼く、三歳離れている妹の彼女の方が年上に見られるなんてこと日常茶飯事だ。
性格も彼女の方が大人びていて、姉とは真反対である。
彼女たちの性格が全く違うこと。それは当たり前と言われればそうなのかもしれない。
何故なら、彼女たちは血が繋がっていないから。
彼女が二歳の時に、両親が離婚した。
そして、再婚した旦那の連れ子が、姉だったという訳だ。
『わたしのこと、ほんとうのおねえちゃんって、おもって、いいからね！』
『………うん』
姉は昔から、彼女のことを気にかけ、優しくしてくれた。
成績は優秀で、スポーツも万能。そんな姉と比べらることがプレッシャーに感じることは多々あった。
しかし、姉のことが嫌いだと、いなくなってしまえばいいと思ったことは一度もなかった。
無邪気な姉に振り回されて大変なときもある。しかし、それ以上に彼女も姉のことが大好きだったのだ。
「……おねえちゃん」
「ん？」
トランプを片手に、姉が振り返る。
「…いつも、ありがとう」
「……えッ！？」
「………大好き」
突然の妹からの言葉に、驚きつつもとても嬉しそうな表情をした姉は、立ち上がり小走りで彼女のもとへ行くと、その華奢な体をぎゅっと抱きしめた。
そして、少し屈みこむとその鼻梁にちゅっと口付ける。
「なッ、何するの……」
「私も、大好き！」
――――『愛玩』
短編小説 /ただ、ちょっと不安になっただけ/→←短編小説 /その音色に、恋をした/
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- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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容姿端麗に生まれ変わり隊(プロフ) - 『頬』と『額』は親しみ感が溢れてていいと思いました(o^−^o) (2019年4月29日 13時) (
レス) id: 26de7c6d79 (このIDを非表示/違反報告)
沖蘭 - ちなみに頬へのキスは海外だと挨拶に近いですね。私も海外に住んでいるので親しい人とは頬にキスします。 (2017年2月26日 6時) (レス) id: 63d7861522 (このIDを非表示/違反報告)
沖蘭 - 月が綺麗ですねから来ました！！鼻梁は鼻筋の事ですよ。面白かったです！こんなことをしてくれる彼氏が欲しいです。続編も楽しみにしています！頑張ってくださいね！！ (2017年2月26日 6時) (レス) id: 63d7861522 (このIDを非表示/違反報告)
零ーﾚｲー(プロフ) - とりあえず完結しました〜！皆さま本当にお付き合いありがとうございました<(_ _)>近々続編を作るつもりなのでそちらも是非よろしくお願いします！ (2017年2月11日 23時) (レス) id: 79ca697b23 (このIDを非表示/違反報告)
零ーﾚｲー(プロフ) - のわあああ、意味が意味なのでヤンデレ続きになって申し訳ないです……全然純愛じゃない…キスの格言に相応しくない…… (2017年1月31日 20時) (レス) id: 79ca697b23 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：零ーﾚｲー | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/list/hina99121/
作成日時：2016年8月31日 18時
