参。 ページ3
六股長義side
小鳥のさえずりにより目が覚める。
ずっと暗い所にいたせいか陽の光が眩しくて目を開けられない
ここは一体どこなのでしょうか…
｢六股くん！？起きたの！？｣
ずっと聞いていなかった人の声。
思わず驚いて悲鳴をあげそうになるが声が出ず、喉からヒュッという変な音が鳴るだけだった。
｢ご、ごめんね！驚かせちゃって…
よかった、目が覚め…六股くん？大丈夫？？｣
震えが止まらない。
失礼だってわかってるのに、止めようとして腕を思い切り力を入れて掴む
｢ま、まって！！
無理しなくていいからね、ごめんね。｣
この隣にいる方は誰なのでしょうか。
謝る必要は無いのに、俺が謝らないといけないのに
｢ご…な、さ…｣
謝罪の言葉を伝えようとするがパクパクと動くだけでほとんど声が出ない
怖い、ごめんなさい、この方は何も悪くないのに。
ごめんなさい、ごめんなさい、許して
あれ、息ってどうやって吸うんだっけ
苦しい、なにこれ。
やだ、こわい、あにさま、こわいよ、たすけて
｢っ…落ち着いて、今長義さんが来るからね。
もう少しだよ、頑張れ、大丈夫だよ。｣
安心するように目を合わせて大丈夫、大丈夫と何度も声をかけてくれる。
でも、パーソナルスペースには入ってこないからこの人は本当に優しいんだな、とのんきなことをかんがえる
バタバタと数人の足音が聞こえる。
この部屋に近づいてきているのが分かる。
ご主人様が来るのかな、嫌だな、僕もうあんなことしたくないよ
だが、予想していた人物とは違う落ち着くような綺麗な低い声が耳に入る。
｢もも！！｣
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作者名：雛 | 作成日時：2020年1月19日 18時
