堕ちた穴は大きすぎた。【WT】【d!】 (ページ25)

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第二十話ページ25

主人公sideに戻ります。

『…え？』

?｢俺のにいちゃん！｣

kn｢何や。やっぱお前やったんかい｣

shp｢案外あっさり見つかりましたね｣

『えぇ…？ちょっと待ってよ…』

kn｢暇やし、ラーメンでも食いに行かへん？｣

shp｢先輩の奢りならいいっすよ｣

kn｢ほんまに抜かりないなぁ…ええで｣

『ちょ、勝手に話進めないでくださいよ！』

キラキラと目を輝かせて俺の手を掴む子供と、仕事が終わって完全にだらけている幹部たち。

俺だけが状況を飲み込めず、置いてけぼり。

仕舞いには俺の足元に子供を置いて、2人は兵士たちを掻き分けてどこかへ行こうとしている。

慌てて、ヘルメットの方の腕を掴んだ。

shp｢…？…っぁ…｣

怪訝そうな顔で振り向いたかと思えば口に咥えていた煙草を落とす程間抜けヅラを見せた。

kn｢ショッピ…？｣

shp｢すいません、先輩。先に部下連れて戻っておいてもらえませんか｣

『え？』

kn｢どしたん？｣

shp｢…………｣

黙りこくるショッピに眉間にシワを寄せるコネシマ。

これ、1番俺が気まずいやつ…？

kn｢はぁ、ええわ。先戻っとるから何かあったら報告せえや｣

shp｢はい、分かりました｣

すると颯爽と消えていったコネシマ。そして残される子供と俺とショッピ。

謎のメンツすぎて俺の頭の中は大洪水状態。

誰一人とも話そうとせず、静寂すぎるこの空間。

shp｢…あの｣

『っわ、ビビったァ』

shp｢すみません｣

『あぁ、いや全然大丈夫っす』

shp｢あの、もしかして貴方って…あの時助けてくれた方…？｣

『oh…』

おっと…バレた☆

いやそんな呑気なこと言ってる場合じゃないなぁ

あんだけ監視カメラにバッチリ写りながらゾムに攻撃まがいなことしてたら完全に国外追放か処刑だろ

『おっと……おぅ…』

shp｢すみません。直球すぎましたよね…でもあの時彼が助けてくれなかったら俺は絶対死んでました。お礼だけでも言いたいんです｣

ショッピの真実を突き止めるような真っ直ぐな視線に俺の心はぐらりと揺らいだ。

コイツに話してもいいのか…？

然し、俺の自制心が俺を止める。

子供はいるし、仲間の情報盗みましたなんて言えるわけが無い。

言ったら総統に突き出されて俺の人生はあっさり終わるに決まってる。

『…………』

shp｢…やっぱり違いますよね……もう帰ります。有難うございました｣

頭を下げ、その場から立ち去ろうとする彼に俺は無意識に口を開いた

『ちょっとウチで呑まね？』

『…あ』