第7幕 ページ10
闇の鏡「この者のあるべき場所はこの世界のどこにも無い……無である。」
いや、そんなことあるか?見るからに我の知っている現世の日本という国の子供だと思うのだが…?
学園長「なんですって?そんなこと有り得ない!もう今日は有り得ないのオンパレードです。私が学園長になってから、こんなこと初めてでどうしていいか……」
学園長もお手上げの様に嘆いていた。
『……我だけ野宿ならまだいいが、ユウも野宿は流石に…』
学園長「そもそも、貴方達どこの国から来たんです?」
『恐らく、ユウと同じ国から来ていると思う。』
ユウ「実は……」
我の予測は当たっていて、学園長は知らない地名だと言って図書室で調べることになった。
学園長「やはり、ない。世界地図どころか、有史以来どこにも貴方達の出身地の名前は見当たりません。」
『…まぁ想定内ではあったが、ユウだけは元の世界に帰してやりたい。』
学園長「…貴方達、本当にそこから来たんですか?嘘をついてるんじゃないでしょうね?」
『我らが今この状況で嘘をつくメリットがあるか?』
学園長「まぁ、それもそうですね……ですがこうなってくると貴方達がなんらかのトラブルで別の惑星……あるいは異世界から招集された可能性が出てきましたね。」
『どちらかと言うと、異世界の方が我的に近いような気がする。』
ユウ「異世界!?」
学園長「貴方達、ここへ来る時に持っていたものなどは?身分証明書になるものや、魔導車免許証とか靴の片方とか……見るからに手ぶらですけど。」
ユウ「そういえば財布もスマホもない…」
この世の終わりのような顔をしているユウ。すまほとやらは現代の必須アイテムだと聞いたことがあるな。
『我も身分証明書等はないな』
学園長「困りましたね。魔法を使えない者をこの学園に置いておくわけにはいかない。しかし保護者の連絡もつかない無一文の若者を放り出すのは教育者として非常に胸が痛みます。私、優しいので。」
『常識的に考えて、それこそありえないことだと思うんだが…』
学園長「うーん、……そうだ!」
…全く人の話を聞いていないな。
学園長「学園内に今は使われていない建物があります。昔、寮として使われていた建物なので掃除すれば寝泊まりぐらいはできるはずです。そこであれば、しばらく宿として貸し出してあげましょう!」
ユウ「良かった……野宿は免れた〜」
…掃除は魔法ですぐに終わらせられると考えたら案外条件はいいな。
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作者名:ぬん | 作成日時:2023年5月27日 0時