世界は、存外狭かった。【stpr】【莉犬くん】

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‹莉犬くん side›


「じゃあ、おつりーぬ.ᐟ.ᐟ」


放送を終えて、時間を見るとまだ21時。


「今日は水曜日か…あの店員さんいるかな」

財布と携帯持って、帽子を深く被って、出発.ᐟ



ここのスーパーには週1しか来ないから、その間に商品のレパートリーが変わってるの楽しみだったりする。

今日はアイスとプリンといちごミルクに決〜めた。



あの店員さんのレジを探してウロウロしてると

「貴女遅いのよね、早くしてちょうだい」
と冷ややかな声が聞こえた。

その声を浴びせられているのは、俺が探していた店員さん。

「申し訳ありません」

全く酷いなぁ、なんで待ってあげられないんだろ。


店員さんは俺に気づくと、ふわりと微笑んでくれた、気がした。


「こんばんは〜お願いします.ᐟ」

「いらっしゃいませ。こんばんは、お預かり致します」


あ〜もっと多く買えば良かった。すぐ終わっちゃう。


「あっ、さっきの…大変でしたね、大丈夫ですか？」


「大丈夫です、ご心配ありがとうございます」



初めて俺を真っ直ぐ見て微笑んでくれた。
そんな君を見て、何故か凄く胸がときめいたんだ。

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