からかわないで、月永くん。

９.近づかないでください ページ10

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風邪をひいてしまった。
なので、マスクを着用しているわけだがあまり付けない私にとってはかなりの違和感。

あ、やべっ....ズビズビする。





「あれ、もしかして風邪ひいたのか？」


『だからあまり近づかない方がいいよ。』


「えぇ....おまえがマスク付けているの見た事ないからなんか新鮮っ！」


『そりゃあ、ね....。』





月永くんは元気でいいですねー....。

常に元気なのはいい事だけれども、できれば私の前では騒がないでください。なんて願っても叶う事などなくマスクを付けているだけで騒ぎ始めちゃっている月永くん。

＿＿＿そんなマスクを付けているだけで騒いじゃうかなぁ....。





「まぁ何かあったら言えよっ？おれにできる事ならやってあげるから。」





私の頭を優しく撫でる姿はとても優しくていつまでもこうしていたいと思った。

なんて思っても時間は止まらない。
何だか残念だな、少しだけ落ち込む。

そう言えば＿月永くんが全くからかってこない事に気づいた。....やはり体調が悪いと分かっているからなのだろうか。





「....なーんかさ。」


『？』





先ほどまで撫でていた手を離した月永くんは何処か悲しそうな表情をしていた。一体何なのだろうかと言葉を催促させようと声を掛けようとするがやめておいた。

続きの言葉を言わないものだから、その間がとても長く感じる。....待つのは苦手なのに。





『えーっと....？』





我慢ができなくなったものだから自分から声を掛ける事にした。空気が読めない人だ、そう思われても仕方がない。

すると覚悟を決めたのか、ようやく言うようになったのか私の目を見た月永くん。





「今日おまえがマスクをしているのは仕方がないって思うんだけどさ....そのマスクのせいでおまえの表情が分からないからやだ。」


『....んん？』





つまり彼は何が言いたいのだろうか。
疑問を抱いていると両手を使って私の頬に触れてきた月永くん。

え、どうした急に。

おまけに私を見つめながら微笑んでいるものだから慣れていない私にとっては結構恥ずかしい。





「からかっている時のおまえの顔が好きなのにマスクで分からないじゃん。それにおまえの綺麗な顔が見れないとか嫌だな....。」





....月永くんは体調が悪いと分かっていても普通にからかってくる。


*マスク*





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