からかわないで、月永くん。

２.騙さないでください ページ3

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『月永くんめ....。私の乙女心を....。』


「そんなに落ち込むなって。」


『そんな清々しい顔しないで....。更に傷が深くなりまっせぇ....。』


「あれはおまえが勘違いしたのが悪いわけでおれは悪くないぞっ！」





たまたまあった机にうつ伏せの姿勢になる。月永くんの顔を見たら先ほどの事を思い出してしまいそうだから仕方ない。

暇なのか私の頭を突いて遊んでいる月永くんなんて知らない。おまえの顔見たいな〜、と女子なら言われて嬉しいであろう言葉。だが無理だ。





「あ、机に蜘蛛がいる。」


『えっ、嘘！？！？』





机から勢いよく離れる。
私は虫が大の苦手なのだ。

しかし机を見ると蜘蛛なんていなかった。床に落ちたのか、と思ったがそれらしき姿は見えない。＿また騙されたのか。


私の反応に月永くんが笑っている。
おまえ本当に面白いな！、とそんな笑顔で言われても困るのだが。





「やっと顔上げてくれた。」


『....そりゃ、あんな事言われたら嫌でも上げるに決まってるじゃん。』


「不機嫌になるなって！おれはおまえの顔が見れて嬉しいぞ！」





無邪気な笑顔ですね。
私はもう苦笑いしかできんわ。

すると月永くんが手招きをする。
こっちにこい、そう言っているのだろうがあんなにも騙されたのだ。警戒してしまう。





「そんなに離れられると寂しいじゃん。だからこっちおいで！」


『今までの行いを振り返ってから言って。』


「あーあ、おれ寂しいなぁ。」


『やべ、聞いてない。』





もし仮に月永くんの元へ行ったとしても、今度は何をされるのかと怖くて堪らない。

てかそれ以前に月永くんにからかいスキルがあるだなんて思ってなかったんだけど。

私がこの場から動かないと思ったのか月永くんがこちらへとゆっくりと近づいてくるではないか。え、普通に待って怖い。





「....つかまえた。」





私の頬を撫でる月永くん。
異性に頬を撫でられるとか少女漫画でしか見た事がないんだけど。

何度も何度も優しく撫でるものだから流石に恥ずかしいのだが。これも月永くんのからかいの類に入っているのだろうか。





「....おまえのほっぺ、ぷにぷにしてるな！触り心地最高だぞ！」


『これはかなり傷ついた。』


*頬撫で*





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