*55* ページ10
.
今日は特に大事な用事はないし、何処か寄り道していこうと思った私。今思えば一人になる時間って久しぶりな気がした。
まぁ何処に行くかだなんて気分だ気分。ゆっくりと過ごせる所がいいしカフェ、とか?
「おっ、こんな所で一人?それなら一緒に遊びに行かない?」
『....あー。』
こういう場面、前にも会ったよな。
その時は月永くんが助けてくれたから何ともなかったけど....今回はそうはいかないか。
あの時の私は、まじでカラオケに行きたかったから着いていきそうになったけど生憎今日はそういう気分ではないのでね。....どうしようか。
『....私なんかよりも可愛くてノリが良い人の方がいいと思いますよ。』
あー、慣れねぇな敬語。
反感を買うような言い方をせず、やんわりと断るのはとても難しい。
だがどうやら効果はないらしい。この場を去る気なんてなさそうだし。....少女漫画だったらイケメンくんが助けてくれるじゃん!?
「俺は君みたいな子と遊びたいな〜。もちろん欲しい物があったら俺が買ってあげるよ?」
『....えーっと。』
一発蹴りでもどうかな。
なんてそんな物騒な事はスーパー美少女である私がするわけないでしょっ。
なんて思っていると。
「おーいっ!遅れて悪かったな!っておまえは誰なんだっ?」
『....嘘、だろ。』
あ、やべ本音が出た。
___私に何かあると駆けつけてくれるよな月永くんって。
本音が聞こえたからか、現状況になっているせいか私の足を軽く踏んできた彼。いや、待て。踏まなければ完璧だったよ!?
「こいつ、おれの連れっ。あ、もしかしてだけどこいつと遊んでやってたのかっ!おまえは良いやつなんだな〜っ!」
『え、ちょ....つきな_。』
「おまえは黙ってろあほ。」
サラッとあほと言いやがったな。
ナンパ男は戸惑っているのか怒っているのかよく分からないが_やり取りを見させられる側としてはイラつくだろう。
「きゅ、急に現れて....しかも遅れてとか言ってるけどよく見たらお前ら同じ学校...._。」
「細かい事なんてどうでもいいだろ?てか_おれが来たんだしさっさと去れよ。」
「...っっ....。」
....月永くんの圧ってやべぇよな。
見てよ相手ビビってんじゃん。
『....どうも。』
「....せっかく助けてやったのに素っ気ない態度とか意味分からん。てことでアイス奢れ。」
『なんで!?』
.
723人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あませ | 作成日時:2020年1月26日 16時