突然の告白(リアside) ページ5
今日はノエルと私が出会った日
ノエルは自分の誕生日を知らないので
私がこの日を誕生日と決めた
毎年服を作ってプレゼントしている
今年は
美しく育ったノエルが
いつお嫁に行ってもいいようにと
ウエディングドレスを仕立てた
ノエルはどんな人と結婚するのだろう
やはり人の子だから人間と結婚するのだろうか?
そしたらやっぱり人間の世界に帰ってしまうのだろうか?
少し寂しい気持ちになったが
このウエディングドレスを着て
ノエルが最愛の人の隣で微笑む姿を
想像するだけで私の心は満たされた
「ノエル。おめでとう。」
「ありがとう母さん!」
ノエルはウキウキした様子で
包み紙を開けて
ウエディングドレスを広げた
私はノエルの喜ぶ反応を楽しみに
待っていた
しかし…
ウエディングドレスを見た途端
ノエルの顔は一気に暗くなった
「ノエル、気に入らなかったのかい?」
「ごめん…母さん。今までずっと黙ってきたんだけど私…いや僕男なんだ。」
へ?
「どっ…どうして今まで黙ってたんだ?」
「母さんが女の子の服を着たり髪を結ったりすると可愛いって喜んでくれるのが嬉しくてずっと黙ってたんだ。
でも…ウエディングドレスだけは着れない。」
「ノエル…今まで気づかなくてごめんよ。ずっとそんな思いさせてしまって。私はどんなお前さんでも愛しておるぞ。自慢の娘じゃ。いや…息子かw」
「それともうひとつ。今までずっと母さんの事母さんって思ってた日は1日もなかった。」
あんなに懐いていたのに
まさかずっと嫌われていたなんて
ショック過ぎる
「そうなのか…私は人間から恐れられる存在だからのぉ。嫌われていても仕方ない。」
「そうじゃないんだ!ずっと貴女に恋焦がれてたんだ!」
え?
ノエルはポケットから
箱を出すとその箱を開き
私の前に膝を付いて座った
「母さん…じゃなくてリアさん
僕と結婚してください」
ちょっと待って
さっき男だと知ったのに
展開が早くてついていけない
「ノエルちょっと待ってくれ!まだ頭の整理が…」
「待ったらいいんですね?ずっと待ってますからねリアさん?」
ニヤリとノエルが笑う
全くどうしたらいいものか…
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作者名:干物ゴリラ | 作成日時:2018年2月15日 1時