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別れ(リアside) ページ13

ノエルが倒れて
すぐにベッドへ運んで
回復の呪文をかけた



眠るノエルの手を握りしめ
目覚めを待つ


「お願いノエル…目を覚まして
このまま死ぬなんて許さないわよ」


数日後…


ノエルは目を覚ました


「ノエル…もう死んじゃうのかと思った(´;ω;`)」


「ごめんなさい。リアさん。」


か細い弱々しい声で言うノエル


元々細身だった体は
骨が浮き出ていて
生きているのが不思議なぐらいだ



「目覚めてくれたからいいの…
医者は匙を投げて帰っちゃったから
私の魔法で治すわ」


リアが杖を振ろうとすると
それをノエルが止める


「どうして?生きたくないの?」


ノエルは横に首を振る


「もういいんだ…こうなる事は出会う前から分かりきっていた事さ。それに僕にかけられた呪文は解こうとした者の身にも害を及ぼすから…」


昔のお伽話で
人間の村に住む魔術師が
生贄になるべくして生まれた子供に
大人になったら
死ぬという呪文をかける


そして
その呪文を解こうとした者も
死んでしまうと
聞いた事がある


まさか本当にこんな話があるなんて



「でも私…どうなってもいい。ノエルには生きていて欲しいの。」


「じゃあこの子はどうなるの?」


ノエルは私のお腹に手を当てた


私はこの存在に気づき
自分がしようとしていた事が
間違えていたと理解した


「もー。何で何で…ノエルが生贄なのよ!こんな私でも大好きって言ってくれるいい子なのに…何で何で!」


パニックになる私


こんな事言ってても
ノエルを救う事はできないって
分かっているけど


もう訳わからない


するとノエルはヨロヨロと
起き上がり
私の手をスルリと引くと


ゆっくりキスをした



「リアさん…。僕、生贄になれて良かったと思うんだ。だってこんなに美しくて可愛い人に愛されてたんだもん。生贄になる前は、みんな僕を敬遠して愛してはくれなかった。リア。君だけだよ僕を愛してくれたのは…」


「ノエル…」


ノエルは力なくベッドに倒れると
そっと瞳を閉じて
眠るように天国へと旅立った

君が残したもの(リアside)→←異変(リアside)



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作者名:干物ゴリラ | 作成日時:2018年2月15日 1時

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