秘密 (ページ26)

今日:3 hit、昨日:8 hit、合計:41,113 hit

第12話-2 ページ26

『ユンと結婚します。
もう会いません。
ごめんね。
さようなら。
最後まで、
秘密を守ってくれてありがとう。
ジョンと過ごした時間、
一生忘れない。
ジョンの幸せを
心から願っています。』

最後にふさわしい、
シンプルで優しいさよなら。

ユン「○○は今日付で
仕事を辞めた。

信頼できるスタッフを
一人減らすことになってごめん。

近いうちに入籍して
一緒に暮らすから、

一足先に
ここを出ることになった。」

『そろそろ、それぞれの家を。』

そんな話が出始めた頃だった。

結婚を機に別れる？
今更。

俺もここを出て、
今度はヌナが通えばいい。

ジミヒョンが
俺を見ている。

視線を返して、
ヌナにメッセージを送る。

『話したいです。
どこかで会えませんか？』

もう返事も来ないかもしれない。

そう思ったけど。

『ごめんなさい。
会うことはできません。
でもジョンには
ふたつの権利があります。

ひとつはメッセージで
私を罵倒すること。
必ず返事を返します。
最後まで
ジョンと向き合います。

もうひとつは、
ユンに秘密を明かすこと。

私はユンに言わなかった。
言えなかったわけじゃない。
言わないことを選んだ。

ユンと一緒になりたくて。

何も知らないユンと
幸せになろうとしてる。

ジョンとのことを
無かったことにするのと同じ。

許せないでしょ、ジョン。

何もかも壊してください。

すべてジョンの
思うようにしてください。

今まで本当にありがとう。』

ヌナがどうして欲しいのか、
わからなかった。

このまま
秘密を守っていて欲しいようにも
思えたし、

全部、
ぶち壊して欲しいようにも
思えた。

3人の結末は、

俺の手にゆだねられた。

─────第12話 End