秘密事 (ページ5)

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集中力ページ5

マッハで圭太のを写してから板書にとりかかった。

チャイムギリギリで板書がかけた。

慌てて席に戻る途中先生が教室のドアを開けた。

一瞬立ち止まってしまった、自分の動揺っぷりに驚いてる。

授業だって正直辛い。

なんで慣らしの1限から谷本先生なの？

「…い。おい、高峰！」

名前を呼ばれた気がして顔を上げると先生の顔が目の前にあった。

「わっっ！！」

びっくりして引き下がったから椅子がガタッとと大きな音立てて悪目立ちしてしまった。

「ボーッとしすぎ。」

そう言ってあたしの額にデコピン。

「いでっ」

これがかなり痛い。

先生の攻撃その1。

「折角褒めてるのに勿体無い。

この解き方とはなかなかやるな。
高峰なんだかんだで頭いいな。」

ん？
…今板書の答え合わせしてるのか。

あ。
先生あたしが解いたって思ってるんだ。

「だろー！」

…隣で圭太が威張ってる。
写したのバレるじゃん。

「おい。俺、藤田のこと褒めてないからな。」

あら、気付いてない？
それとも気づかないふり？

とりあえず助かった。

「高峰もホッとしてないで集中してろよ？」

あ、バレてるのね。

教卓に先生が戻っていく。

あの背中に触れたらな。

届かない距離がもどかしい。
切ないよ。