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8・長い眠りから、今覚める ページ8

「…」

  あまりの衝撃的な展開に、教室にいる全員が思わず息をのむ。

  しんと教室が静まり、誰もが「え?」と拍子抜けした顔をしている。

  もちろん、私も。

  教室はまるで時間が止まったようになった。

  その沈黙を打ち破ったのは、キャバ嬢似の女の憤怒の怒声だった。

  「な、なにすんのよぉお!?こ、この私に、こんなことしていいと思ってるワケ!?」
 
  びしょ濡れのまま立ち上がり、美少年につかみかかろうとする。

  ___が、

  「……つまんねぇんだよ、お前」

  美少年は、低い声でボソッと吐き捨てるように、しかしこの教室全体に響くように言い、海底の奥底、誰にも見られない場所から急に太陽の光が反射されたように、冷たい黒い瞳をギロッとキャバ嬢似の子に突き付けた。

  先ほどとは違って、驚きではなく、ただただ恐怖、というような雰囲気で教室中が再び時が止まる。

  そして、美少年は私の髪を掴んで拘束していた女子二人にもその視線を突き付けると、その二人はビクッと肩を震わせ、突き放すように私の髪から手を離した。

  私は、その二人の手が離れることに酔って急に体重を預けていたものがなくなり、グラッと前のめりに倒れる。

  「う、わ…」

  すると、トン、と誰かが私の肩を支えてくれた。

  …え?

  顔を上げると、目の前には、黒髪の美少年の顔が。

  私と彼の顔、距離はおよそ10センチ。

  どくんっと確実に、心臓が大きく高鳴った。

  今まで、姉にいじめられても、親につけ放されても、心は何も反応しなかったのに。

  なぜ、こんなに高鳴るのだろう。

  まるで長い眠りから覚めたように、私の心臓が高鳴りを始めた。

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鈴川アイカ(プロフ) - キャンディさん» ありがとうございます!続きが楽しみだなんて…嬉しいです!これからも頑張ります!! (2017年7月26日 22時) (レス) id: 174e377775 (このIDを非表示/違反報告)
キャンディ - すごく面白かったです!つづきが楽しみです。更新ファイトです(^o^)/ (2017年7月26日 18時) (レス) id: 6cea5335de (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ましゅ | 作成日時:2017年7月23日 19時

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