眠っている君に、愛の歌を 〜secondmusic〜

第７話＜どらいあいす＞ ページ20

『…』





シルバー「何度も言わせるなよ…！」







『……シルバー』






『“好き”って言葉だけで、解決するような問題じゃないのよ』






心を鬼にして、シルバーの手を払った









そして、私はここから去った








シルバー「……」




彼は何も言わなかった






シルバーはどんな顔をしてたんだろう








ごめんね、ごめんね







でも勘違いしないで欲しい





『私だって…好きなんだよ。』








小さく、蟻の鳴くような声で呟いた








＿＿






『…ただいま』








元気のない声で言う









こんな声でもソフィアやお母さんはいつもなら声に気づいて返事をしてくれる






だが、今日は誰からも返事がなかった







『…お母さん？ソフィア？』








思えば、メイドさんもいない





それどころか部屋は荒れ放題だ






…まさか








耳を澄ますと、遠くから聞こえる荒い声





それは私の大嫌いな人の声だった







『…お父さん？』






何で






今日は帰って来ないはずだったのに






何でよ……







今日は最悪な事ばっかりじゃない









シルバーとの件に関しては自業自得だし、勝手に私が決めたことだけど





散々だよ、もう






お父さんのいる部屋から逃げるように、私は静かに自分の部屋へと入った






『(一日早いけど、明日学校に行こう…もう逃げ場がない)』





最悪な二日目だった






＿一方その頃＿





シルバー「……ただいま戻りました。親父殿」





リリア「ん？シルバー？帰ってくるのが早くないか？」





リリア「それに……」





シルバー「すみません親父殿、今日はもう寝ます」









リリア「！待たんかシルバー！」






リリア「(なんであやつは泣いておるんじゃ…)」

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