検索窓
今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:29,788 hit

十一 ページ11

男と私の間に冷たい風が吹き抜ける




「聞きたいこと、ですか?」

 

「はい。単刀直入に聞きます、どうしていつもこんな時間に出歩いているんですか?」



 私の問いにキョトン、という顔をする男。


 はやく答えろ。こちとらさっさと寝たいんじゃ





「僕はただ、起きるのがはやくて散歩してるだけですよ?」




 表情を変えずに淡々と彼は嘘をつく。色でわかる。まぁ色なんて見なくてもそんな見え見えの嘘じゃまるわかりだ。


 まぁいいか。他にも聞きたいことあるし





「じゃあもう一つ。貴方はなんで私の名前を知ってるんですか?私は貴方に名乗ったことなんてないし、私は貴方を知らない」




 愛想笑いを崩さず聞きたいことだけ淡々と質問する。余計な返事はいらん。聞いたことにだけ答えて。

 何回もいうが私は寝たい。




「そうですよね、一方的に知ってるなんて失礼ですよね。僕は霧島といいます!
 そして貴方は………浅岸ヒメカ20歳、政府非公認の鬼を滅する鬼殺隊、最上階級無柱。鎹烏ではなく何故かメジロが伝達役。家族構成は母、父、兄、妹の五人家族。いつも金平糖を持ち歩いている。それから」





「ちょちょちょ、ちょっと待って!待て!何も言わないで!喋るな!!」




 ゾワワ、と全身に広がった鳥肌を抑えるように腕をさするも収まることをしらない鳥肌。


 な、なんでこいつ私の家族構成とかしってんの!?意味がわからなくて混乱する



 ニコニコと細められていた男の瞳が私を見つめる、光のない濁った真っ黒な目で。




「僕はヒメカさんのことならほとんど知ってますよ?こう見えても情報はいろんな伝手があるんです。なんならもっと色々教えてあげましょうか?」



  男の色が透明感を失くしていく。なんだ、なんの色なのこれは
 見たこともない色の変化に恐ろしくなり、男の伸ばされた手から逃げるよう一歩下がる




「どうして、逃げるんですか?」




「あんた、可笑しいよ」




 去らなくては、この場から、危ない


 この男、ヤバい





 

十二→←十



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (57 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
150人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 愛され , 冨岡義勇   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

himeka8170(プロフ) - スイロ。さん» ありがとうございます!完結できるよう頑張ります! (2020年4月28日 8時) (レス) id: d6a519e554 (このIDを非表示/違反報告)
スイロ。 - 初見、 初コメ失礼します!面白いです! (2020年4月24日 13時) (レス) id: 8775389a41 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:沼ってます | 作成日時:2019年11月27日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。