鎖国系実況者、開国します

▷キヨ 嫉妬 ページ12

『はい。…っあ、どうぞ！』





先程とは少し音声が違うが、やはり女性の声に聞こえてならない。





だが、彼女でも何でもない私が彼の私生活に口出しできる勇気も理由も無い。





私は小さく会釈して、開かれた扉の中に入った。





全くもって壮観である。





エレベーターひとつとっても高級感が滲み出ている。





段々と上がっていく景色を眺めながら、私はボーッと考え込んでいた。





あの女性が態々私を呼んだ理由は何だろう。





“連れて帰ってもらう為”、そう彼女は言っていたが、それは私を指定した理由にはならない。





うっしーやガッチさんだって良いはずだろう。





…キヨがそう言ったから？





だとしたら辻褄は合うが、何故他の女が居る場に態々私を呼ぶのだろうか。





うーん、駄目だ。





私のよわよわな頭じゃ幾ら考えようと結論が出そうに無い。





まぁいいや。パッと回収してさっさとアイツん家に放り込もう。





｢それにしてもあの声、どっっかで聞いたことある気が…｣





その時、ちょうどエレベーターが到着した音がして私は意識を引き戻された。

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