幸せになって（橙） (ページ6)

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Aside

「ただいま～」

そう呟いても何も返ってこない

私の両親はどっかの大きな会社の社長でほとんど海外にいる

前は私一人では寂しいだろうとお手伝いさんを雇っていたが私の負担にしかならなかったので外してもらった

一人で使うには広すぎる部屋にこれまだ大きなベッド

「はぁ…疲れた」

いつの間にか私は眠ってしまっていた。

夢を見た。

「近寄らんといて、あんたと一緒に居るとろくなことないわ」

「男たらし、調子乗んな」

やめて…なんでそんな事言うの？

皆、皆私の悪口をヒソヒソと話している

教室の真ん中にぽつんと取り残されている私

消えてしまいたい。そう思った瞬間私は真っ黒な穴に落ちていった。

「ｯ…」

目を開けるとそこは大きなベッドの上だった

あぁ、いつの間にか眠ってしまっていたんだな。

そう思いながら顔に手をやると指が濡れる感覚がした。

…あれ？私…泣いてるん？

私ってさみしい人間なんだろう。

そう思うと何故か笑えてきた

静かな空間に私の乾いた笑い声だけが響いていた