幸せになって（橙） (ページ11)

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桐山side

「照史～！」

職員室に帰ると濵ちゃんが話しかけてきた

「Aどうやった？」

濵ちゃんのクラスのA

Aはよく授業をサボって屋上におる子

彼女はよく遠くを見つめて悲しい顔をしとる

ほっといたら消えてしまいそうな…

やから俺はなんでかほっとけんくて授業がない時は彼女の元に行く

最初は何を話しかけても素っ気なかったんやけど最近は俺と会話してくれるようなった

「ん～やっぱ俺心開いてもらえへんのよなぁ」

濵ちゃんはAに少しでも心を開いてもらおうと頑張っとるらしいけどそうは上手くいかん

大丈夫か？なんてきいても、アイツの得意な愛想笑いでさらっとかわされとるらしい

まぁ、愛想笑いにきーついとる先生は俺くらいやな

Aと半年くらい話してて結構アイツの事がわかってきた

例えば？せやなぁ、悩みは絶対人に言わん事とか都合の悪い事やったり困ったりしたら愛想笑いでさらっとかわすこと

あ、第一印象は真面目そうでしっかりしてそうなんやで？

でも、実は少し？いや、結構おっちょこちょいで天然っぽい

本人は自覚症状ないみたいやけどな？

あと偶にさらっと毒を吐くかな？まぁ、悪気はないみたいなんやけどな

アイツは悩みがあっても絶対相談せんタイプやねん

やから自分で溜め込んでしまう

溜め込んで溜め込んで自分で自分を殺してしまう

どんなに自分が辛くても周り優先やしな

やから俺はアイツの愚痴のはけ口になったりたい

そうして少しでもアイツを楽にして、学校って楽しいとこなんやでって、友達ってええんやでって教えたりたいな。