第8話 Nとの遭遇 君はUFOを見たか? ページ29
未確認飛行物体、UFO。
何とも心躍る響きだが、それによって一瞬にして人生を狂わされてしまった少年がいた。
その少年の名は、霧隠ラント。
彼とUFOがどのような因縁を持っているのか……それは、彼がまだ幼かった頃──数年前に遡る。
あれは、気持ちの良い晴れやかな青空の日だった。
父、母、妹、そしてラントの、家族全員で山道をドライブしていた時の事。
「凄い景色だね!」
「かなり高いところまで来たからな〜」
そんな何気ない会話の横で、ラントの母はある物に気付いた。
「あら?」
その声につられて、家族全員がある一点を見つめた。
空中を浮遊する光る円盤──世間的に言うUFOが、車の上に現れたのだ。
すぐに車を止めて外に出る。
「これは……!」
「わぁ……!」
父と母が呆気に取られている一方で、ラントとその妹は好奇心に目を輝かせていた。
次の瞬間、UFOはまばゆい光を放った!
そして──……。
数年後。
ラントは、日本一のエリート校・Y学園に入学を果たしていた。
険しげな表情で、巨大な校門を見上げる。
この数年のうちに何が起こったのか……それは、またいずれ知ることになるだろう。
ここは、Y学園の生徒会室。
もはや『室』などではなく、1つの巨大な建物である。
「YSPクラブが、クラブ支持率で第1位となりました」
「……何?」
生徒会役員の報告に、ラントが顔に怪訝そうな表情を浮かべる。
「七不思議を解決した事が広まったせいで、このような結果になったようです」
「我がUFO研究会クラブの支持率を上回ったと言うことか……」
「そうなります」
前々から目をつけてはいたものの、まさか姫舞Aの啖呵通りに学園七不思議を本当に全て解決するなんて、思ってもいなかった。
ラントは不愉快そうな表情になり、言った。
「彼らは分かっていないようだな……自分達がやっている事の愚かさが。排除するか?」
「YSPクラブを潰す……と言う事ですか?」
男子生徒が尋ねる。
「だがその前に、どうやって七不思議を解決したのか少し興味がある」
あんなふざけたような集団が、どのような手を使って七不思議を解明したのか……ラントはそれに興味を持っていた。
男子生徒は、その言葉を待っていたかのように、手慣れた手つきでパソコンの操作を始めた。
「その件であれば、既に調査済みです」
「……ほう。相変わらず手回しがいいな」
すると、生徒会室の机からモニターが出てきて、映像が映された。
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ヒメアミ(プロフ) - ミアさん» もう最高でしたね!しかも続編を匂わせてましたし……!……何ですかそれめちゃくちゃエモいじゃないですか!最高です!ありがとうございます!!m(_ _)m (2021年4月2日 21時) (レス) id: 773d896b8c (このIDを非表示/違反報告)
ヒメアミ(プロフ) - かふぇもかさん» 了解しました!( ̄^ ̄)ゞお願いします!! (2021年4月2日 20時) (レス) id: 773d896b8c (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 最終回おもしろかったですね!マタロウが最後にシンの経験談の話をするというのはどうですか? (2021年4月2日 19時) (レス) id: b9853fe50f (このIDを非表示/違反報告)
かふぇもか(プロフ) - ヒメアミさん» ありがとうございます!できたらボードの方に寄らせていただきます…!m(__)m (2021年4月2日 18時) (レス) id: 586d3de0ac (このIDを非表示/違反報告)
ヒメアミ(プロフ) - かふぇもかさん» はじめまして!!……え!?いいんですか!?むしろこちらからお願いしたいです……!かふぇもかさんの描きたいように好きに描いてやってください!!どうか是非……m(_ _)m (2021年4月2日 18時) (レス) id: 773d896b8c (このIDを非表示/違反報告)
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