後輩の子 ページ2
風磨side.
収録が終わって、待ちに待ったAちゃんとのご飯、なはずなんだけど、かほちゃんにまた廊下で呼び止められてしまった。
何故か今日も収録を見ていたらしい。
か「風磨くん、また廊下でお話しできるなんて嬉しいです！！」
風「うん、邪魔になってるからちょっと端よって。」
俺はこういう、新入りなのに勝手に名前呼びしてきたり、自分のことにしか気が回らない子はちょっと苦手。
Aちゃんが通りかかった。
「あれ、かほちゃんと風磨くん。かほちゃん、あとで私の楽屋来てほしいんだけど、話したいことあるの。」
怖い怖い、かほちゃんが邪魔すんなとも言いたげな目でAちゃんの後ろ姿を見ていた。
か「風磨くん、これから予定ありますか？よければお茶でもしませんか？？」
風「いや、俺、今から約束あるんだよね。ごめんね。」
Aちゃんとご飯。
か「そうですか…ではまた今度で約束してくださいますか？？」
風「うーん、まぁ、とりあえず今日はダメってことで。」
俺、逃げ方が苦しいな。かほちゃんも今にも歯ぎしりしそうなくらい悔しそうな顔だし。
風「Aちゃんのところ行かなきゃ行けないんでしょ。早く行った方がいいんじゃない？」
か「A先輩はいいんですよ、どうせ私、嫌味言われるだけですし。」
そんな訳ない。
か「そうだ、聞いてくださいよ風磨くん〜。A先輩ひどいんですよ、私の顔がちょっとA先輩より可愛いからって、みなみちゃんには全然注意しないのに私ばっかり注意するんですよ。」
かほちゃんの態度がひどいからだ。
か「しかもそれをアドバイスとか言っちゃって。1年しか先輩じゃないのにどの口が言ってるんですかって思いませんか〜？？」
本気で言っているのなら、この子は救いようがないな。
風「Aちゃんは真剣に、かほちゃんにアドバイスしてるんだと思うよ。」
か「…。やっぱりA先輩の味方なんですね。分かりました、先輩の話きちんと聞いてきます。」
俺は、そう言ってAちゃんの楽屋に向かうかほちゃんをぼーっと眺めていた。
Aside.
その後かほちゃんに、前に自分が思ったことをちゃんと言葉にできて。
いつも以上におとなしいかほちゃんがちょっと不気味だったんだけど。
かほちゃんが帰って、急いで準備する。
せっかくの風磨くんとの夜ご飯、楽しまなきゃ。
風磨くんが車で来たみたいで、楽屋から駐車場まで急いだ。
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作成日時：2018年3月10日 19時
