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検診を終えた、とある日。
風邪をこじらせる人が多くなり
目まぐるしく働いていた僕は一服しようと甘味屋へと出向いていた。
…忙しくて、花さんとは会えぬまま。
運ばれてきたあんみつを食べようとしたその時。
・
「相席しても、よろしくて?」
・
凛とした、鈴のような綺麗な声。
水面に落ちた雫が波紋を広げるかのように僕の耳に届いたその声の主は。
・
「………花さん」
・
本当の花のように、美しい笑顔を浮かべる花さん。
その姿には、前のような影は無く 幸せに満ち溢れていた。
おかげか、更にお綺麗になったように見える。
・
「…お久しぶりですね」
貴女「ええ、お久しぶり。ごきげんいかが?」
「元気にやっています。花さんは風邪をお召しになられていませんか?
最近、風邪をこじらせる患者が多いので 心配していたのですが」
貴女「あら、平気よ風邪なんて。…それより、貴方にお礼が言いたかったの」
「お礼?」
貴女「…私を、闇から救ってくれたことへのお礼よ。
貴方がいなかったら、今頃私は 孤独にうちひがれていたかもしれないもの。
今は…お父さんとお母さんが私の傍にいてくれるから。私、幸せよ。
本当の子供でないのに、私を愛して下さって。
こんな幸せを感じられるのは、貴方のおかげだわ」
・
『お父さんとお母さん』
少し、照れくさそうにその言葉を言う花さんは本当に幸せそうだ。
こんなに綺麗な女性を娘だと言える本屋のご夫妻は幸せだなぁ。
・
貴女「ありがとう」
・
今までに見たことがないほどに、綺麗に笑う花さん。
そんな彼女を見て、なんだか安心した。
と。
・
静音「あら、花野。こんな所にいたの?」
貴女「あっ、お母さん」
・
買い物に行っていたのか、食料が入った重たそうな大きな風呂敷を持っていた本屋の奥さん。
それを見た花さんは、急いで奥さんの所へ行き 荷物を奪う。
・
貴女「お買い物に行くなら、私を連れて行って下さればいいのに。
お荷物運びくらいしますよ、お母さん」
「いいのよ、花野は いつもいつもお手伝いばかりしているんだから。
お利口さんなのも嬉しいけど、お金だってあげているんだから
自分の好きな簪やら買ってきなさいな」
貴女「育ててもらっているんですから、なるべくお利口でいたいんです。
それに、お金はくださらなくてもいいんです。
私は、お金では買えない幸せを手に入れたんですから」
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向日葵(プロフ) - ぐれーとまっくすな手毬。さん» お久しぶりです(*^_^*)合格、おめでとうございます!私なんて、何のお力添えにもなれなかったと思いますが こうして報告して頂けてとても嬉しいです。手毬さんの努力に、拍手です!本当におめでとうございます(*^^)手毬さんの高校生活が楽しくなるよう祈ってます(*^^*) (2014年2月27日 19時) (レス) id: a335748cd3 (このIDを非表示/違反報告)
ぐれーとまっくすな手毬。(プロフ) - 向日葵さん、お久しぶりです、手毬です。覚えていますでしょうか?…この度手毬、推薦で高校入試に合格いたしました!報告遅くなってごめんなさい。ずいぶん前になりますが助言頂いたこととても感謝しています。お陰さまで、無事合格しました!ありがとうございました! (2014年2月23日 23時) (レス) id: a41bb197be (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - けいおんさん» 読んで頂いて有難うございます(*^^)vやっと更新再開いたしました、お待たせしました(・.・;)これからもよろしくおねがいします!! (2014年2月20日 21時) (レス) id: a335748cd3 (このIDを非表示/違反報告)
けいおん - 更新再開してください (2014年2月6日 10時) (レス) id: 7e2908af86 (このIDを非表示/違反報告)
けいおん - キュンキュンになりました!!是非続きを読みたいです。よろしくお願いします (2014年2月5日 13時) (レス) id: 7e2908af86 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:向日葵 | 作成日時:2013年9月19日 7時