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「まぁ、旦那様がそんなことを」
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後日、柊先生に許可を得て 柊先生と姫様の住むご自宅を訪れた僕。
姫様は体調が良いのか、いつものように布団に入っている姿ではなく
僕と向かい合わせて話をして下さっている。
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「…やはり、花さんには言えない事情があるのでしょうか」
「…そうですね…、でも」
・
姫様は、少しだけ悲しそうな顔をすると、重たそうな口を開いて言った。
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「花さんは、深い闇を一人で背負ってらっしゃるんですよ。
普通の人では、共に背負えないような つぶれてしまいそうな程重い闇です。
昨日、お聞かせしてもらったのですが…胸が痛くなってしまいました」
「そんな…、重い闇って…」
「弓弦さんのお耳には入れたくないみたいですよ。
もう少し、仲が良くなったら自分から話すとおっしゃっていました。
でも、私から見ればもう十分な程 仲が良く見えましたけれど…」
「僕達はまだ…逢って、3日程しかたっていませんので…」
「まぁ、そんなに最近のお話だったのですね。申し訳ありません。
随分と仲が良さそうでいらしたので…。花さんは、たくましい女性ですね。
あれほどの過去を抱えていながら、凛としていらっしゃるんですもの。
良いお友達ですね、大事になさってあげてください」
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綺麗にほほ笑む姫様は、そう言ってくださった。
花さんは、姫様に自分の抱える闇を話したのか。
…姫様は、人の心を簡単に溶かしてしまうようなお方だから。
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「…姫様。花さんの話を聞いて下さって、有難うございます。
きっと…、花さんは 姫様に話を聞いていただけたことで
肩の荷が少しでも降りたことだと思います」
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姫様にひれ伏し、お礼を捧げる。
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「お顔をお上げになってください。私は…お話をお聞きしただけで…良い助言をする事も
できませんでした。私は、こう思うのですよ?弓弦さん。
花さんを、闇からお救いになるのは 弓弦さんだと」
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姫は、僕の頬に華奢な両手を添えると ひれ伏した僕を起こすように顔を持ち上げた。
ふわり、と 陽だまりのような香りが鼻をかすめる。
姫の匂いだ。
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「…僕が、力になれるでしょうか」
「ええ、きっと。だって、弓弦さんは素敵な男性ですもの。
外見ではありませんよ、お心が素敵なんです。自信をお持ちになって?」
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姫様は、いつだってお優しい。
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向日葵(プロフ) - ぐれーとまっくすな手毬。さん» お久しぶりです(*^_^*)合格、おめでとうございます!私なんて、何のお力添えにもなれなかったと思いますが こうして報告して頂けてとても嬉しいです。手毬さんの努力に、拍手です!本当におめでとうございます(*^^)手毬さんの高校生活が楽しくなるよう祈ってます(*^^*) (2014年2月27日 19時) (レス) id: a335748cd3 (このIDを非表示/違反報告)
ぐれーとまっくすな手毬。(プロフ) - 向日葵さん、お久しぶりです、手毬です。覚えていますでしょうか?…この度手毬、推薦で高校入試に合格いたしました!報告遅くなってごめんなさい。ずいぶん前になりますが助言頂いたこととても感謝しています。お陰さまで、無事合格しました!ありがとうございました! (2014年2月23日 23時) (レス) id: a41bb197be (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - けいおんさん» 読んで頂いて有難うございます(*^^)vやっと更新再開いたしました、お待たせしました(・.・;)これからもよろしくおねがいします!! (2014年2月20日 21時) (レス) id: a335748cd3 (このIDを非表示/違反報告)
けいおん - 更新再開してください (2014年2月6日 10時) (レス) id: 7e2908af86 (このIDを非表示/違反報告)
けいおん - キュンキュンになりました!!是非続きを読みたいです。よろしくお願いします (2014年2月5日 13時) (レス) id: 7e2908af86 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:向日葵 | 作成日時:2013年9月19日 7時