22 ページ25
.
「お姉ちゃん！お姉ちゃん！！！」
男の子の声で
はっ
と我に帰る。
「助けてくれてありがとう！！」
「、、誤解していて悪かった、、。」
よく見ると震えているおばさんの手。
怖がらせてしまったな。
「いえ。気にしないでください。」
「家まで送りましょう。」
男の子を腕に抱えて話をしながら夜道を歩く。
「お姉ちゃんの目、綺麗だねぇ！」
小さい手がこちらに伸びてきて頬に触れた。
「っ、、、綺麗？」
「うん！キラキラして綺麗！！」
きゃっきゃっ
と嘘のない無邪気に笑うその顔に
「どうしたの？」
鼻がつんとしてしまう。
「何でもないよ。」
「ありがとう。」
「おばあちゃんのこと君が守ってあげてね。」
震えてしまう声。
家の前に着き、
「本当にありがとう。」
頭を深く下げるおばさんに
「顔をあげてください。」
「姉さん、元気にしてるので。」
「今度は遊びにきますね。」
と声をかけて二人と別れる。
……
暗い夜道。
自己嫌悪が溢れ出る。
両親が亡くなったというのに
私は涙ひとつ流さなかった。
姉さんは得体の知れない怪物を前にしてまで寄り添ったのに。
「ごめんなさい。」
今になって
ぽろぽろ
と溢れ出る涙。
私は本当に嫌な人間だ。
"綺麗"
"優しい"
など似合わない。
最近は少し贅沢すぎた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2116人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
きき(プロフ) - 赤色の瞳で緋→火→炎で、炎の呼吸がいいと思います！あくまでも一意見なので、良ければです！ (2019年12月15日 19時) (
レス) id: bfacb6fb7e (このIDを非表示/違反報告)
薫 - つきの呼吸がいいです！ (2019年12月15日 9時) (レス) id: bef68b6bc6 (このIDを非表示/違反報告)
絢(プロフ) - 「声の呼吸」なんでどうでしょう？妹ちゃんが姉が1番だと我慢していた心の 内に秘めていたものが心から溢れ出して声になる。とか、。いつも楽しく読ましてもらってます！応援してます！ (2019年12月15日 1時) (レス) id: 15b677e26e (このIDを非表示/違反報告)
ティッシュ - 影の呼吸とかはいかがでしょう？( 姉という光を引き立てさせる影、みたいな感じで(笑) いつもこのお話を拝見させていただいてます！お体に気を付けて更新頑張ってください！ (2019年12月15日 0時) (レス) id: 9aa7f700a4 (このIDを非表示/違反報告)
やまなみ(プロフ) - 夢主ちゃんの事を嫌っている(仲が良くない)柱の方の呼吸を使う…というのはどうでしょうか？？ (2019年12月15日 0時) (レス) id: 280ddb7f42 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あずき。 | 作成日時：2019年11月16日 19時
