繋げる ページ5
倉科「あの時、彼女に出会えてなかったら
もしかしたら彼の傷の回復はもっと遅かったかもしれません。
「胸元の傷ですか…。事情は担当医から伺いましたが…。
彼はまだ自分で…？」
増田さんの自傷行為
松本から聞いたけど…Aがつけたキスマークの場所がわかるようにって
倉科「彼女からのお守りが効いてるみたいですよ？
「そうなんですか？
倉科「100パーセントとまではいきませんが、抑止力にはなっています。
あとは彼の気持ちの持ちよう次第ってところですね。
3年でしたっけ。
それまでは私が責任持って彼のケアを担当します。
だから、あなたはどうか彼女をよろしくお願いしますね？
執事さん♪」
そう言いながら、持ってたマグカップを突き出してきた
「執事じゃないですけどね…w
でも、ちゃんとお支えします。
彼が会いにくるまで。」
ーーカン…
そう答えて、突き出されたカップに自分のをぶつけた
『ん…。櫻井……どこ…？』
しばらくするとカーテンの奥からか細い声がしたから、足早にそこへ向かった
ーーシャッ…
「お嬢様、お加減はいかがですか？
A「うん…、だいぶ楽になったよ。」
よかった…顔色もだいぶいい。
倉科「…。ん、大丈夫ね。
念のため、帰ったら行きつけの病院に行くように。
タクシーを裏に待たせてあるので、そちらからお帰りください。」
簡単な診察のあと、俺たちは事務所をあとにすることに。
でももちろん、Aはこの場所が病院だと思っているわけで…
A「このまま帰るわけには…。
病院長さんにご挨拶しないと…
「大丈夫ですよ、お嬢様。さ、はやく出ましょう
倉科「ごめんねぇ、ここの医院長今日おやすみなの。
それに今日は休診日だから、ここに入れた事がバレたら私クビになっちゃう。
だから今日の事は内緒ね♪」
言いながら、Aに隠れてウインクされた
ーー上手いなぁこの人…w
A「そっか…。わかりました。
それでは失礼します。
Aは素直に納得してタクシーの中へ。
自分も乗り込もうとしたら
袖をクイっと引っ張られて
倉科『お互い、繋げれるように頑張りましょ♪』
コソッと耳打ちされて、そのままタクシーに押し込まれると
ーーバタンッ
すぐにドアを閉められて、タクシーは動き出した
最後まで強引なんだから…
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作者名：ひまわり | 作成日時：2019年2月10日 21時
