美術教師は私依存症 (ページ37)

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天元、賭けてみる。ページ37

『本当に…

ごめんなさいッ……』

宇「地味に謝んな。

Aは悪くない」

学校に登校して

直ぐに天元に

無惨とのことを伝えた。

パパから電話で

来週には

婚約の手続きをする

と言われた。

みんなで守り合おうって、

天元は言ってくれたけど。

無理。

無理だよ。

私はやっぱり、

みんなを

危ない目に合わせたくない。

『私ッ、違うのッ…。

天元が、

嫌いとかじゃないの…！

大好きだけど…っ…』

人のいない美術室で

静かに

天元が包み込んでくれる。

宇「…俺は、

Aと結婚したい。

Aは、

俺と結婚したい…？？」

『そんなの、当たり前』

頬を伝う涙たちを

天元が

袖で拭ってくれる。

宇「あー、泣くな泣くな」

そんな優しさに触れると

ますます

泣けてきてしまうのを

天元は知っているのだろうか。

宇「放課後は空いてるか？」

『空いてる』

宇「じゃあ、

校長室に来てくれ」

お館様のいるところへ…？

.

.

.

.

『失礼します。

河村 Aです』

木製の重厚な雰囲気の

校長室の扉を開ける。

そこには

お館様だけでなく

炭治郎くんや、しのぶ先輩、

煉獄先生たちも。

産「よく来てくれたね。

さあ、座ってくれるかい？」

『はい』

天元の隣へ。

少し緊張してしまって

体が強張る。

それに勘付いた天元が

右手を握ってくれた。

恋人繋ぎで。

産「緊張しなくても大丈夫だよ。

天元から、話は聞いている。

私たちも

Aには幸せになってほしい。

だからこそ無惨には

Aを諦めてほしいところだけど

彼はそんなことはしないだろうね」

お館様は眉を下げた。

産「そこで本題だ、A。

婚約の手続きは

来週のいつかな？」

『来週の、

火曜日です、

けど』

そんなことを聞いて

どうするのだろう。

産「私が今から話すことを

よく聞いてほしい」

『…？？』

_

_

_

産「これは私たちだけの秘密だ、

いいね？」

『分かり、ました…』

うまくいくのだろうか。

頭が追いつかない。

煉「安心しろ！

君たちの幸せは

誰にも壊させはしない！！」

無「Aの幸せな顔が

1番綺麗なんだから」

宇「きっと大丈夫だ。

みんなの力を借りよう」

『…はいッ』

一か八かに

賭けてみる。