音柱は嫁依存症

炭治郎くん、子守り唄を。 ページ36

帯がぐねぐね動き出す。

炭治郎くんは私に気づいてない。

できれば私も鬼に気づかれないまま

斬りにかかりたい。



炭治郎くん達の前に誰かが座ってる。

あの大きな背中は。






宇「おいこれ竈門禰豆子じゃねーか。

派手に鬼化が進んでやがる」





天元様だ。


天元様がいれば炭治郎くん達は安心。

天元様に任せよう。





堕「！！

柱ね。そっちから来たの。

手間が省けた…」


『歌の呼吸・肆の型・歌姫の一節』


宇「うるせぇな。

お前と話してねーよ。

失せろ……」




私の名前を天元様が呟いた。

やっと気づいてくれましたか。


鬼の頸を斬った。


鬼はキョトンとしてる。

炭治郎くんは驚愕してる。


しばらくすれば灰になるだろう。



禰「グアアア！！！グアウッ！」


あとは禰豆子ちゃんだな…。


この飢餓状態をどうしようかな。

眠ってくれればいいんだけど。


宇「ぐずり出すような馬鹿ガキは

戦いの場にいらねぇ。


地味に子守り唄でも歌ってやれや」


『天元様、それです！

さすが私の旦那様！』



怒らないであげて天元様。

禰豆子ちゃんのおかげで頸が

取れたんですよ。


『ちょっと行って来ますね。


…炭治郎くん、禰豆子ちゃん、おいで』


言った途端に禰豆子ちゃんは

床を蹴ったため

2人が外に出た。



禰豆子ちゃんはまだ暴れている。


炭「禰豆…子…！」

禰「グォウッガァッ！」

『炭治郎くん、子守り唄！！』


炭治郎くんが口ずさみ始める。


私も知ってる子守り唄だった。



炭「こんこん…小山の子うさぎは」

『なぁぜにお耳が長うござる』

炭「…A…さん」


爺やがよく歌ってくれた。

私、それですぐ寝ちゃうの。



『小さい時に母さまが

長い木の葉を食べたゆえ

そーれでお耳が長うござる


こんこん小山の子うさぎは

なぁぜにお目々が赤うござる

小さい時に母さまが

赤い木の実を食べたゆえ

そーれでお目々が赤うござる』



炭治郎くんの目に涙が浮かぶ。


炭 (母さん…、母さん…。

母さんの歌みたいだ…。

Aさんの歌は…母さんみたいだ)


禰「わああっ……！！」


禰豆子ちゃんが泣き始めて

段々と小さくなって

スヤスヤ寝てしまった。


『良かった…。

禰豆子ちゃん、箱に戻しておいで』

炭「はい…っ。

ありがとうございます」



『………？

なんか聞こえる』


刃物が何かを切り裂く音。


天元様のいる部屋から。



バギャッ！！



屋根から何かが飛んできた。


鎌だ。

伊之助くん、静かにして！！！→←禰豆子ちゃん、一体…。

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