私、音柱に拾われました【宇髄天元】

40話 ページ41

母親探しが始まった




父親は知り合いを当たり、私は今までと同じように道行く人に聞いた




これまた簡単に見つかるわけはないと分かってはいるが




こうして父親と再会できたんだから、諦めなければきっと会えると信じて聞き込みを続けた





｢気になってたんだけど、物を運ぶ仕事って具体的にどんなところに運んでるの？｣




｢え、あ、あぁ…そう、だな…｣




｢何その反応…まさか娘に言えないような…｣




｢違う違う！そうじゃなくてだな！｣





父親は少し気まずそうに





｢人がいっぱい集まるところとかだ……その、遊郭とか…｣




｢ゆう、かく…｣





以前、宇髄さんから聞いたことがある単語だ




『男と女の見栄と欲、愛憎渦巻く夜の街…それが遊郭だ。ま、Aにはまだ早いな』




『どういうことですか？』




『そのうち分かるさ』





なんて会話をしたことを思い出す




正直意味が分からなかったが、とにかく派手な街ということは理解できた





｢ふーん…そうなんだ｣




｢俺はあくまで仕事で行ってるだけだからな！｣




｢う、うん…？｣





そんなこと大きな声を出さなくても分かっているのに





｢はぁ……そういえば、かなり前に遊郭であいつを見かけたことがあったな｣




｢それ本当！！？？｣




｢あぁ…かなり離れていたけどあれは間違いなくあいつだった。もしかしたら遊郭の近くにいるかもな｣




｢じゃあ、今すぐその遊郭ってところに！｣




｢ま、待て待て！あそこはお前にはまだはや……ごほん。俺の知り合いによく遊郭に行っているやつがいるから少し待ってろ｣




｢でも｣




｢ここから遊郭近くまで少し距離がある。これで空振りだったら時間が勿体ないだろ？｣




｢………そうだね｣




｢そう焦るな｣





母親に会えると思ったら気持ちが焦ってしまったようだ




でも、これで一歩進めた

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