56話 ページ7
そして
その日は私が想像していたよりも早く来た
｢また朝に会おう！A！｣
｢はい、煉獄さんもお気をつけて｣
今日も別々の任務
屋敷の前でいつも煉獄さんとこうして話をする
｢………A、何かあったのか？｣
｢え？｣
｢この間の任務後から何か焦っているように見える。何かあるなら俺に相談するといい！｣
煉獄さんの言う通り、お館様からあの手紙を貰ってから私の頭の中はこれからのことでいっぱいだった
｢大丈夫ですよ｣
｢そうか！ならいいが！｣
先のことばかり見ていてもダメだ、まずは目の前のことをしっかりやらなければ
煉獄さんと別れ、鎹鴉につられて目的地へ向かう
途中、反対側から見覚えのある二つの影が見えた
｢Aさん、こんばんは｣
｢………｣
｢しのぶさん、冨岡さん…｣
今一番会いたくなかった人たちかもしれない
｢これから任務ですか？｣
｢はい、お二人もですか？｣
｢あぁ｣
｢っ…｣
このタイミングで二人で任務
頭では分かっているのに本能が事実から目を逸らそうとしている
｢………目的地は、那田蜘蛛山ですか……｣
本当は聞いてはいけないのかもしれない
だが、今の私にはどうしても聞かなければならないことだった
二人はとても驚いたような顔をする
｢えぇ、そうです。よくご存知で｣
｢………そうですか、お気をつけて｣
精一杯の作り笑顔とお辞儀をして、私はまた歩を進めた
しばらく歩いてから、ふと空を見上げる
いつもは向こうの世界と同じように見える空が
今日はまったく別のものに見える
｢今頃、炭治郎たちは戦っているのか…｣
自分自身でも余裕が消え、焦りが出てきているのが分かる
真っ暗な闇の中に吸い込まれていくような感覚だ
｢ここままじゃ、ダメだ｣
パチンッ！、と頬を思いっきり叩く
ヒリヒリと痛みを感じる
そして、目を閉じて思いっきり深呼吸する
｢焦るな、私。自分のやるべきことを、今するべきことを見失うな｣
自分に言い聞かせるようにそう呟く
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向日葵(プロフ) - とうめいさん» とうめいさんコメントありがとうございます！最後まで読んで下さりありがとうございます！新作もお楽しみにです！笑 (2022年2月7日 0時) (
レス) id: f6ff1cdc98 (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - えのきさん» えのきさんコメントありがとうございます！嬉しいお言葉…そう言っていただけて嬉しいです…。 (2022年2月7日 0時) (レス) id: f6ff1cdc98 (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - ゆきさん» ゆきさんコメントありがとうございます！嬉しい言葉…ありがとうございます！ (2022年2月7日 0時) (レス) id: f6ff1cdc98 (このIDを非表示/違反報告)
とうめい - 完結おめでとうございます!!!毎日わくわくしながら最後まで読ませて頂きました！それと新作私も宇髄さんのやつがいいかな…と考えております…！新作も頑張ってください!! (2022年2月4日 19時) (レス) @page35 id: 4fdb593f0d (このIDを非表示/違反報告)
えのき(プロフ) - はじめまして。えのきといいます。トリップものが好きで、ずっと追わせていただいてました(*^^*)完結おめでとうございます！本当に素敵な作品をありがとうございました(*^^*) (2022年2月4日 15時) (レス) id: 9c3da7f4d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：向日葵 | 作成日時：2021年10月20日 23時
