南沢篤志は危険人物―○○○○ＧＯ

〓賭け〓 ページ29

南沢「賭け？」

不思議そうに尋ねてくる。
賭けって私が思ってるだけなんだっけ・・・・

A「私がっ・・・南沢のこと好きになるかどうかの・・っ」

息がつまりそうだ。好きのところで思わずためらう。

南沢「あぁ、・・・・でも俺が負けただろ？お前は俺を嫌い。」

南沢は、私が未だに嫌いだと思ってるらしい。

南沢「俺さ、それでも諦めきれねーで、わざとずっとお前をさけたり、
志望校別のところにしたんだよな。」

その一言に耳を疑う。

わ、わざと？

南沢「そしたら見事にひっかかったもんなー？」

ニヤリとこっちを向いて不適な笑みを浮かべる。
そしてまた、南沢が言葉を紡ごうとしたとき、

A「南沢なんか嫌い！」

素直になんてなれなくて、教室をでようとする。
すると、腕をつかまれた。

南沢「・・・・・・・・それだけ？」

そうきかれると、否定できずに話を続ける。

A「南沢、嫌い。私をはめるし、こんなに緊張させて、
振り回して、人のファーストキスもセカンドキスも奪って、
っ・・・・・・・・・彼女にして自惚れさせてっ・・・・・・

・・・・・・・・・・・大っ嫌い。」

南沢はなにもいわずに黙りこむ。
その沈黙が逆にいたたまれなかった。

A「それでも私、南沢がっ・・・・・・・」


「好き」


そう言おうとしたところで、

南沢は俺の勝ちだな、と声をこぼす。

南沢「この先は俺に言わせろ。」

そう言われてくっと言葉をのみこむ。
目の前で重なる視線にもう耐えられそうになかった。


南沢「Aが好きだ。」


A「っ・・・・・・・///・・・私も好きっ・・・・・南沢ぁっ・・」


嫌い、大嫌いよ、南沢なんか。

でもこんなに矛盾してる思いに嘘なんてつけない。

だって私はもう南沢の腕の中。


私、南沢に嫌われてなかったんだ――――――――――

一気に、安心に包まれる。


A「もっかい好きっていって？」

南沢「・・・・・嫌だ。」

A「えー、何で！？」

南沢「そんなに何回も言えるかよっ・・・」


南沢の胸に顔をうずめる。


やっと伝わったんだ、私の思い。

南沢に、届いたんだね。

嬉しさで心がいっぱいになる。
こんな気持ちは初めてで、
こんな風に甘えられる人も初めてで。


それを全て教えてくれたのは、


・・・・・・・・・・・南沢だよ。

殿堂入りだと！？(゜-゜)→←〓思い出〓

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