嘘という名のおくりもの /ky ページ20
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私の学校の制服は男女共にネクタイだ。
赤と青で分かれていて、『好きな人と交換すれば結ばれる』というジンクスがある。
憧れていないわけじゃないけど、仲がそこそこ良いとはいえ相手は学年問わず人気のあるあのキヨだ。
しかも、卒業まであと一週間しかない。
「...ダメ元で交換すれば良かったかなあ...」
「誰と？」
「びっっくりしたあ！...なんだ、レトルトか」
こういう時は普通キヨが来て胸キュン展開になるんじゃないのか、と一瞬でも考えてしまったのが恥ずかしい。
レトルトは私がキヨを好きなのを知っている癖に意地悪なやつだ。
キッと睨みつけると面白そうに笑いながら「ジンクスがもう一個あるの知ってる？」と言った。
「異性の仲がいい友達にネクタイ借りてつければ良いことが起こるんだって」
「良いことって随分曖昧じゃない？」
「でも俺調べやから確かな情報やで？ちょっとはそういうのに縋るのもアリなんちゃう？」
...確かに、どうせ望みがないならそんなのに頼るのもいいかもしれない。
解いた自分のネクタイを小さく畳んでポケットに入れて、レトルトに借りることにした。
「あっAじゃん。その荷物どうした？手伝うよ」
「キヨ！これ美術室に持ってけって言われて...」
放課後だというのに先生に雑用を頼まれて若干レトルトを疑っていたが本当に効果があったのかもしれない。
たまたまキヨが声をかけてくれて半分待とうとしてくれた。
その時、急に固まったから「どうしたの？」と問いかけると我に返って荷物を持ってくれた。
さっきまでは普通だったのに急に空気が重い気がして結局運び終わるまで無言だった。
来た道を戻っていると気まずそうにキヨが口を開いた。
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ラッキーカラー
あずきいろ
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作者名：ユシア | 作成日時：2020年2月1日 12時
