私の彼氏さん (短編集1)

★身長差(江口拓也) ページ33

『 ねぇ！！！！！！モニターが見えない！！』



とあるレコーディングスタジオ

声優の私は、今日も仕事の収録に勤しんでいた。

しかし、問題が起きたのは小さなことであった。




私は身長が大きい方ではない。
でも決して小さくない。

158なのだ！小さくなかろう？？
それなのに、相手のコイツが大きすぎる。


『見えない！えぐう！』



マイクの前に立つのは

180越えの声優
江口拓也である。


見えるわけないじゃん！


「ごめんって！Aw」

笑いながらも謝ってくれるのがえぐう。



そう、今日は2人のアフレコなのです。




___________




「お疲れ様でーす。ここから20分休憩入ります。」


アフレコも中盤となり、機材確認の休憩となった。



部屋から出て、隣の楽屋みたいな場所に
移された。








『あれ？？えぐう、髪色変えたの！凄いその色好き！』





先程まで集中していたからか、全然気づかなかった…。

前まで金髪だったのに、今は銀髪になっていた。



「おっ、気づいてくれた〜。まじで？？ありがとう！」



そう微笑むえぐう。
これが、普通にかっこいいんです。


『えぐう、頭なでなでしたい。』

「ええ？俺を？」


驚きながらも恥ずかしそうにしゃがんでくれるえぐう。やさしいw


『うわ〜！髪の毛ふさふさ！』




面白かったので、しばらく
くるくると頭をくすぐって遊んでいた。





「A！」


すると突然立ち上がってこちらを見つめるえぐう。

突然のことに身体が震えた。




『ど。どしたの。えぐう。』


「俺で遊んだんたから、俺もAで遊んでいいよね？」



と、先程まで異なる笑で私の方へ
じり、と近づいてくるえぐう。



『な、なに。もしかして怒ってるの？』



そろりそろり、と後ろに下がるも
ここは狭い待機室。

すぐに私は壁に張り付いてしまった。



「Aは、俺と付き合ってる自覚あるの？ねぇ、」


そう言われ、手で顔を押さえつけられる。
えぐうの顔は楽しそうだった。



『えぐう。それは仕事中はいわないやくそくじゃ、！』


「そう言わせたのはAだろ？」




そしてそのままえぐうの顔が近づいてきて
自分の唇とえぐうの唇が重なった。



「えっ?! 、ん゛っ 、！！！！」




重なるなんてものじゃない
私を食べるのじゃないかと思うぐらい。


そして身長が高いから、上から押し付けられてる格好で息ができないッ、




窒息 するんじゃないかと思うぐらいだった。

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